GSJ Open-file Report no.405三宅島ヘリ観測記録:2001年4月〜12月分観測者(著者): まとめ: 宮城磯治 観測者と観測日のリスト: 川辺禎久 04/16 05/30 07/04 07/09 08/01 08/03 08/27 11/14 12/20 宮城磯治 04/09 05/14 07/20 07/23 07/27 11/21 須藤茂 04/20 05/18 06/29 07/18 08/10 東宮昭彦 07/06 08/17 09/07 09/19 伊藤順一 04/04 05/07 07/11 08/15 中野俊 04/02 04/23 12/27 斉藤元治 04/06 06/13 06/27 高田亮 04/27 05/21 08/08 石塚吉浩 06/01 07/30 松島喜雄 04/13 08/20 浦井稔 10/11 11/27 栗原 新 11/08 篠原宏志 10/24 山元孝広 04/11 観測日、観測者、概要2001年12月26日 (中野@地調) 白色噴煙。やや南に流より約1500-1700mまで上昇。 上空4500フィートは西10ノットの風、300フィートはほぼ無風。 ガスが分離して東斜面から南東斜面に沿って流れ下る。 カルデラ内、北側の池は崖錐に埋まり消滅(12/20同様)。 スオウ穴直下〜北東のカルデラ内壁は、埃が着かず新鮮。 主火孔の形状等は噴煙のため確認できず。 他、大きな変化はない模様。 2001年12月20日 (川辺@地調) 風が強く、カルデラ内はガスが巻いて見えない。 高度1100〜1300mの白色噴煙は多め。三宅島空港南寄り方向に流れる。 ガスの量は最近の平均的な量(2万トン弱/日程度)らしい。 放射赤外温度計では350℃程度が観測された(気象庁)。 12/5に大島さんが報告した北カルデラ壁崩落・北池埋没を確認。 bからdにかけてのカルデラ壁 が崩壊して、北池を埋めつくしている。 2001年11月27日 (浦井@地調) 強風のため火口内の視界が悪く、火口壁が見える程度。 大きな変化はなさそう。火口温度観測では150℃以上を観測(中堀さん)。 COSPEC観測を3測線実施。 2001年11月21日 (宮城@地調) 白色の濃密な噴煙。やや脈動しながら海抜1700mかそれ以上の高度を維持。 白煙は島から出てもなかなか消えない。白煙の風下側には青白いガス、 一部は山腹を流れ下り、美茂井方面(北東〜北北東)に拡散しながら流れる。 カルデラ南壁やや中央寄りの主火口から濃密な白煙が出ている。 周辺の噴気孔列からの白煙は2月頃とほぼ同程度。 噴気に近い西側の水たまりは赤錆色〜暗赤色、 遠い北側のは明るい緑灰色、 やや中央の小さなものは灰色〜緑灰色、 すおう穴は明るい緑灰色〜水色。 2001年11月14日 (川辺@地調) 白色噴煙。息つぎがあり、高度1300m(平均)〜1600m(時々)位。 主火口は噴気が多いが大きな変化はない。 南西の黒池をおおう崖錐が発達。スオウ穴下の崖錐の成長は止まったようだ。 カルデラ底の池は水位が上昇。北池の色は黒い。茶灰色の水たまりが多数。 スオウ穴は緑青色。 2001年11月8日 (栗原@地調) 白色噴煙が3500ftまで上昇し、その後高度を下げながら南西に流れる。 青白いガスが斜面を流れ下る。 2001年10月24日 (篠原@地調) 噴煙はまっすぐ1000-1500mまで上昇し、東へ流れる。 その一部は、青白く拡散しながら山肌を沿って西に流れる。 火口内はよく見えたが噴煙の根元はよく見えない。特に大きな変化はなし。 COSPEC観測、およびガス観測(CO2, SO2)も実施。 2001年10月11日 (浦井@地調) 噴煙は最高高度3500ft(=1167m)程度で、北東に流れる。 雲のため、鉢巻林道より内側は観測できず。 2001年9月19日 (東宮@地調) 白色噴煙。海抜2000m程度(パルス的に海抜2500mを超える?)。 ほぼ直上に上昇(山肌を流下せず)し、海抜1500m付近から北東方向へたなびく。 白煙は消えずに延々と残る。 陥没火口(カルデラ)内部は非常に良く見えた。 地形などに大きな変化は無い模様。 2001年9月7日 (東宮@地調) 白色の噴煙。高度は雲のため不明。 青白いガスが伊ヶ谷〜大船戸湾方向(北西)に流下。 陥没火口(カルデラ)内部が良く見えた。大きな変化は無し。 スオウ穴が鮮やかな青緑色。 2001年8月27日 (川辺@地調) 雲のため噴煙高度は不明。カルデラ内の水溜が増え&大きくなった。 大きな泥流や、海に流れ込んだ跡は認められず。 2001年8月20日 (松島@地調) 白色噴煙が高度1000mの雲底まで上昇。 青色のガスはその下部の山腹を漂うように西方向に流下。 赤外観測をした。 火口から上昇する噴気の下部で最高温度(120℃)を示した。 より高温な噴気の出口あたりは火口の縁に隠れ測定されていない。 火口周辺の地温高温部には大きな変化はみられない。 今まで気づかなかった割れ目がカルデラ南縁部に認められた(津久井氏 談)。 2001年8月17日 (東宮@地調) 雲のため山頂部やカルデラ内の観察はできなかったが、 東側斜面の様子がよく見えた。そこでは樹木の枯死が目立つものの、 新しい降灰や泥流は認められなかった。 2001年8月15日 (伊藤@地調) 霧のため高度300m以上は全く見えず。 2001年8月10日 (須藤@地調) 高度1700m(但し普通の雲と区別が困難)の白色噴煙と、 その下には青い煙が、東のほうにたなびく。 島は山頂部を含め約7割が雲に覆われていて、火口内等の様子はわからず。 2001年8月8日 (高田@地調) 三宅は雨で視界不良のため山頂部や噴煙活動は観測できず。 火山ガスは北東の風により阿古の方へ流れる。 泥水が海に達し、海水が濁っている場所が観察された。それらは 北の海岸(前の浜)、北東の海岸(赤場暁付近)、南の海岸(大路池の東の沢) であった。 2001年8月3日 (川辺@地調) 最近にしては噴煙が多い。高度も2000mを越える。 弱い北北東の風で南に流される。 青白いガスの高度700-800m付近より下にあり、 阿古から坪田にかけての範囲に拡散して流れる。 三宅島には雲底400m雲高1000mの雲がはりついて視程はかなり悪く、 カルデラ内はほとんど見えず。 2001年8月1日 (川辺@地調) 白色噴煙、高度は1500mで時々パルス状に2000m(?)に上昇。 弱風で東流される。青白色ガスは広い範囲に拡散するように流れる。 全体に乾いている(雨があまり降らない?)。 カルデラ底南西部の黒い池はかなり縮小。 カルデラ縁や主火口もここ暫く変化なし。 2001年7月30日 (石塚@地調) 白煙噴煙。局所的に2500mまで上昇。南東方向に流れる。 青白いガスは噴煙下部に少し見える程度。 火口内は特に変化はなし。噴気孔周囲に黄色い物質(硫黄)を確認。 2001年7月27日 (宮城@GSJ) 白色噴煙。7月23日よりも若干勢いがある。海抜1000mかそれ以上に上昇。 青白いガスは山腹を流れ下る。阿古〜新澪池(南南西)方面に流れる。 白煙は島から出てもすぐに消滅せず、流れるうちに普通の雲と区別できなくなる。 山頂部は低い雲のために目視できず。 2001年7月23日 (宮城@GSJ) 白色噴煙。海抜1000m程度に上昇。時折パルス状に1300m位になる。 青白いガス(かなり濃密な)は山腹を流れ下り、 三七山〜赤場暁方面(北東)に流れる。 白煙は島から出て数kmの場所で消える。 火口内やその縁は、低い雲のため目視できず。 2001年7月20日 (宮城@GSJ) 白色噴煙。勢いはないが、最近にしては量が多い。 連続的に海抜2000m位まで立ち上がり、 青白いガス(かなり濃密な)は海抜1500m付近にたなびき北東に流れる。 熱赤外映像による温度最高測定値は240℃。 山頂部の火山灰はかなり明るい色調で、乾き切っているようだ。 2001年7月18日 (須藤@GSJ) 噴煙は、最高到達高度は2000m程度(但し雲と区別が困難)、 西の風(4ノット)で東にたなびき、その下の方には青い煙が確認できた。 山頂を含む島の8割は雲に覆われており、火口内の状態等は不明。 2001年7月11日 (伊藤@GSJ) 白色噴煙。海抜2200〜2000m程度まで上昇し、北東に流れる。 比較的勢いがある。量も多い(?)。青白色ガスを伴う。 陥没火口内&火口縁は雲のためよく見えず。 2001年7月9日 (川辺@GSJ) 白色噴煙。1400-1500mまで立ち登り、ゆっくり西に流される。 鉢巻林道付近で白煙は消滅し、残った青白色ガスが垂れ下る。 カルデラ内地形に大きな変化はないが、 カルデラ内壁の北〜北西部に新鮮な断面が露出している。 2001年7月6日 (東宮@GSJ) 白色噴煙(高度は海抜1100m程度)はカルデラリムを越えた辺で急速に消失。 青白く濃密なガスは山腹に沿って流れ下る。 カルデラ内に大きな変化はない模様(雲のため観察条件悪し)。 火口内の池の色は南西が黒で北側と東(小さな池3つ)が赤褐色。 スオウ穴の色は赤茶色。 2001年7月4日 (川辺@GSJ) 白色で勢いの弱い噴煙が火口縁から200-300m程度まで上昇し、 鉢巻林道付近で青白色の火山ガスに転じ、山腹に沿って流下。 青白色のガスは狭い範囲に集中していて、濃度は高そうだ。 火口内の池の色は南西が黒で北側がやや赤褐色。 2001年6月29日 (須藤@GSJ) 白色噴煙。高度はリムから100〜200m程度。東北東に流れる。 山頂と山麓を雲が覆い、よく見えない。 中腹を流下する噴煙の北端南端が鮮やかに青く見えた。 2001年6月27日 (斉藤@GSJ) 島全体が厚い雲に覆われ、山頂山麓ともに観察できず。 雲から突き出た白色噴煙の頂部高度は約1100m。 青白いガスが東方向にたなびく。 2001年6月13日 (斉藤G@GSJ) 白色噴煙。高度は1500m(下から見た限りでは最高2000m位)。 北西(伊ヶ谷〜伊豆)のほうに青白いガスが流れる。 雲(500-1000m)のため火口内は見えず。 島の南西部には、洗たな泥流や降灰は認められず。 2001年6月1日 (石塚@GSJ) 高度約1200mの白色噴煙はやや少なめで、 西南西の風8m/sの風に流されるにつれ不明瞭になり、 標高200m付近で青白いガスがのこる(濃度は向うがわがかなり霞む程度)。 2001年5月30日 (川辺@GSJ) 白色噴煙が1500m程度に上昇。北西(伊ヶ谷〜伊豆方面)に流れる。 その下には青白いガス。量はやや多めに見える(気象条件の為かもしれない)。 2001年5月21日 (高田@GSJ) 白色、連続性の高いプリュームが低空の雲を突き抜ける。到達高度は2000m。 青白いガスが北東に流れる。 主火口北側縁には硫黄昇華物が顕著。 2001年5月18日 (須藤@GSJ) 白色噴煙が約1500m程度に達し、北東に流れる。 南西リムの落ち残ったブロックあり(※5月14日の観察を参照)。 2001年5月14日 (宮城@GSJ) 噴煙高度は最高2000m。 噴気孔周辺にかなりの量の硫黄が付着。 陥没カルデラ内の水溜の赤みが多くなった。 熱赤外カメラを用いた噴気孔温度測定(最高値366℃) カルデラ南西縁で新しい崩落。 植生被害は島の東部が顕著。 2001年5月7日 (伊藤J@GSJ) 噴煙高度は約1000m以上(雲のためそれより上は見えず)。 陥没カルデラ内は煙が充満して見えず。縁などは、特に変化なし。 中腹より下では広葉樹に新緑が戻りつつある。 2001年4月27日 (高田@GSJ) 高度約1300mの白色連続プリューム。 1100〜1300mで横に広がり西〜西南西にたなびく。 主火口南側から白色噴煙が目立つ。 主火口の東外側に新しそうな崩壊部。 その他は特に変化なし。 2001年4月23日 (中野@GSJ) 高度約1800mの白煙が主噴気孔から連続的に噴出。 陥没カルデラ内外の亀裂や水溜りなど、特に変化はなし。 2001年4月20日 (須藤@GSJ) 噴煙は高度1000m程度。青白いガスが三池方面に流れる。 陥没カルデラ南西および南の割れ目あり(特に変化なし?)。 2001年4月16日 (川辺@GSJ) 高度1800〜2000mの噴煙。勢いは弱い。青白いガスは東側にうすく広く拡散。 北側カルデラ壁付近で時おり茶色の土煙(崩落?)。 2001年4月13日 (松島@GSJ) 白煙は陥没カルデラ縁から出るとすぐに透明になって青白いガスが残り、 遠方まで流れる。 2001年4月11日 (山元@GSJ) 標高200〜300mより上に雲があるため、火口や噴煙の様子は不明。 本日も、弱い空振を伴なう強い(振りきれ)微動が単発で発生したそうです。 2001年 4月9日 (宮城@GSJ) 山麓にはみずみずしい緑がみえる一方、沢ぞいには茶色の樹木が目立つ。 雲のため山頂部と火口内は見えず。 2001年 4月6日 (斉藤G@GSJ) 白い噴煙はカルデラ南内壁に沿って連続的に上昇(最高2000m)し、 北東〜東北東に流れ、その下には青白いガスあり。 火口内の水たまり、北側は濁った緑色、南(噴気側)は赤茶色。 2001年 4月4日 (伊藤@GSJ) 噴煙の勢いがない。水蒸気は島内で消滅、青白いガスだけ風下に。 カルデラ内に小さな池や湿地が増加。縁の亀裂等の変化は特に無し。 2001年 4月2日 (中野@GSJ) 白色噴煙高度1300m、下に青白いガスあり。 主噴気孔の噴煙は連続的(息をつく様子はみられず)。 噴気孔の温度測定値350℃は比較的高め(気象庁)。 植生境界(緑/茶)がシャープ。 |