東京ヘリポートより警視庁ヘリ(おおとり6号)にて.同乗者は千葉大津久井さん.
都知事とEU各国大使の三宅・伊豆大島視察と重なり,今日は基地内に人が多い.
東京ヘリポート発9:01,三宅島着10:01,同発10:22,神津島発11:11,東京ヘリポ
ート着12:18.
前線が北上中.なんとか飛ぶことになったが,視程はかなり悪い.横浜,横須賀,城ケ島上空を通過して海上へ.雲が800-1000m程度にかかり,雨もぱらつく.観察は期待薄だったが,三宅島上空は東から南にかけて雲が切れている.そのため機長判断で東側火口縁に 沿って飛行した.3回通過してもらって,最後の1回を除き火口内部を観察できた.
噴煙の色は白,やや量は多いが気象条件のせいかもしれない.頂部高度はそこまで
上昇しなかったので不確実だが,下から見た限りでは1500mくらいか.北西の伊ヶ谷
から伊豆集落の方向に流れ,白色噴煙の下に青白色ガスが流れる.向こう側はかなり
かすんで見えなくなる程度の濃度.
帰途,式根島上空(高度450m)で,ガス臭を感じた.整備員も同時に気がついたらしく,顔を見合わせる.
火口内南西から北西にかけては噴煙がかかり観察できない.
見える範囲で火口内には大きな変化はない.主火口東に南壁から流下した岩屑のローブが灰色に目立つが,少なくとも3月28日の映像に写っている.3月19日にも確認しており,これは3月上旬に崩壊した岩屑ローブが,よく見えるようになっただけらしい.
主火口北東の噴気がある谷の内壁には,硫黄が析出している.池の水の色は,南西が相変わらず黒.そのほかは褐色から緑.
テレビ中継塔があるあたりの地表面が,そのほかの斜面が以前と同じやや黄色 がかった灰色なのに対して,灰色になっている.ガリ内部も灰色になっている ことから,27日噴火の三池への降灰によるものと考えられる.厚さは一桁cmオーダー か?
3回めは雲がかかってきたため,視界が悪化.観測を終了して神津島へ向かった. 帰りはさらに雲が増え,利島付近で雲の上に抜けるため,10800ft(3240m)まで 上昇.さらに東に針路を取り,房総半島野島崎沖まで退避して,東京ヘリポートへ帰り着いた.