2001年5月30日の三宅島

東京ヘリポートより警視庁ヘリ(おおとり6号)にて.同乗者は千葉大津久井さん. 都知事とEU各国大使の三宅・伊豆大島視察と重なり,今日は基地内に人が多い.
東京ヘリポート発9:01,三宅島着10:01,同発10:22,神津島発11:11,東京ヘリポ ート着12:18.

前線が北上中.なんとか飛ぶことになったが,視程はかなり悪い.横浜横須賀城ケ島上空を通過して海上へ.雲が800-1000m程度にかかり,雨もぱらつく.観察は期待薄だったが,三宅島上空は東から南にかけて雲が切れている.そのため機長判断で東側火口縁に 沿って飛行した.3回通過してもらって,最後の1回を除き火口内部を観察できた.

噴煙の色は白,やや量は多いが気象条件のせいかもしれない.頂部高度はそこまで 上昇しなかったので不確実だが,下から見た限りでは1500mくらいか.北西の伊ヶ谷 から伊豆集落の方向に流れ,白色噴煙の下に青白色ガスが流れる.向こう側はかなり かすんで見えなくなる程度の濃度.
帰途,式根島上空(高度450m)で,ガス臭を感じた.整備員も同時に気がついたらしく,顔を見合わせる.

火口内南西から北西にかけては噴煙がかかり観察できない. 見える範囲で火口内には大きな変化はない.主火口東に南壁から流下した岩屑のローブが灰色に目立つが,少なくとも3月28日の映像に写っている.3月19日にも確認しており,これは3月上旬に崩壊した岩屑ローブが,よく見えるようになっただけらしい.
主火口北東の噴気がある谷の内壁には,硫黄が析出している.池の水の色は,南西が相変わらず黒.そのほかは褐色から緑.

テレビ中継塔があるあたりの地表面が,そのほかの斜面が以前と同じやや黄色 がかった灰色なのに対して,灰色になっている.ガリ内部も灰色になっている ことから,27日噴火の三池への降灰によるものと考えられる.厚さは一桁cmオーダー か?

3回めは雲がかかってきたため,視界が悪化.観測を終了して神津島へ向かった. 帰りはさらに雲が増え,利島付近で雲の上に抜けるため,10800ft(3240m)まで 上昇.さらに東に針路を取り,房総半島野島崎沖まで退避して,東京ヘリポートへ帰り着いた.

5月30日の三宅島
かすかに見える三宅島
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窓越しに見た噴煙
北西へ流れ,高度は1500m程度
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東縁は雲がない
ここから中を覗く
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伊ヶ谷-伊豆方向へ
流れるガス
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東から見た主火口
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主火口と主火口東の谷
谷の壁には硫黄?
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カルデラ底
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岩屑ローブ
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TV中継塔付近
ガリ内部が火山灰で覆われる
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赤場焼の泥流
災対の車が見える
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北東山麓
枯れた枝に緑が見える
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