8月27日の三宅島

つくばの自宅周辺は雨.大丈夫かなと思いつつ常磐道へ.南下するにしたがって雨は上がってくるが,雲が多い.気象庁山里さんからの連絡は,「飛ぶかどうかわからないけど,とりあえず東京ヘリポートへ行ってみてください」とのこと.とはいえ幸いなことに,ほぼ予定通りに飛行することになった.

東京ヘリポートから警視庁ヘリ(おおとり3号)にて.同乗者は千葉大・津久井さん.他に三宅島・神津島への警視長要員6名.クルーを入れて11名乗りの満席状態.東京ヘリポート発9:10,三宅島観測開始10:04,終了10:28,三宅中学ヘリパッド発10:40,神津島発11:49,東京ヘリポート着12:47.

今日は一日中大気が不安定との予報通り,あちこちに積乱雲がぽかりぽかり.視程は悪い.普段よりちょっと高めの4500ftくらいを南下.伊豆大島には島の上に高さ2000mくらいの雲.この条件では三宅島も期待薄.

案の定,三宅島上空にも高さ2000m以上白色雲が上がっている.噴煙か雲かの区別はつかないので,噴煙高度ははっきりしたことは言えない.またほとんど無風に近く,噴煙やガスが流れる方向もはっきりしない.あとで海岸線を時計回りに一周したが,特に硫黄臭は感じなかった.雲底700-800mの雲が山頂部に張りついているので,俯瞰することはあきらめ,雲とカルデラ縁の間から中を覗くことにする.

反時計回りに三池まで飛行し,ほぼカルデラ東側からカルデラ内部観察のため接近した.雲の条件が厳しく,アプローチは計3回,合計1分にも満たない時間だったが,なんとかカルデラ内を見ることができた.クルーの皆様には感謝.
カルデラ内には最近の雨のためか,水たまりが数多く出現している.前回の観測で水位が下がっていた南西黒池も水位が上昇し,池北側の二また半島が再び出現した.このほかは崖錐が成長している以外,特に大きな変化はなさそう.
主火口からは,白色噴煙と青白色ガスが上がっている.ただし勢いは弱い.青白色ガスは主火口の北半分側から主に出ているようにみえる.

最後に海岸線を時計回りに1周し,泥流情況などを観察した.台風による雨で泥流が心配されたが,上空から見るかぎり,昨年のような大きな泥流跡は見つからない.土砂を取り除いた可能性はもちろんあるが,海に流れこんで海が変色していることもほとんど認められない.

神津島で給油中,COSPEC観測に向かう海上保安庁ヘリに乗り込むCOSPEC観測隊とすれちがった.

8月27日の三宅島

カルデラ内その1
主火口
続き3枚は右側(北)にパンしたカルデラ内
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カルデラ内その2
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カルデラ内その3
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カルデラ内その4
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西側から見た三宅島
中央やや上よりの傾斜変換点は古いカルデラ縁
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土嚢を積んだ簡易導流堤(坪田)
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立根仮設橋と上流の沢
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1983年阿古溶岩流
溶岩に埋まっているのが阿古中学校跡
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赤場焼
8/3の情況
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地獄谷での砂防工事
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海保ヘリに乗り込むCOSPEC隊
水色服の人が持っているのがCOSPEC本体
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おまけ
相模灘を浮上航行中のおやしお型潜水艦
容量:56k