現在,気象庁のアレンジにより,毎週月・金の2回,三宅島の上空にヘリコプターを飛ばしており,
大学および産業技術総合研究所(旧・地質調査所)のスタッフがこれに搭乗して観測にあたっています.
原則的に,月は警視庁,金は東京消防庁のヘリが飛んでいます.
(今月より週2回に減っています.間もなく週1回+予備日1回の体制に切り替わる予定です.)ここでは,9月7日に東宮により撮影された写真の一部を公開いたします.
写真をクリックするともっと大きな写真(40-90KB程度)が御覧いただけます.
なお,写真の無断2次使用は御遠慮下さいませ.
<データ>
観測時間 :2001年9月7日(金) 9:53~10:19(三宅島上空での滞空時間)
ヘリコプター:東京消防庁「かもめ」
搭乗研究者 :吉本(東大)・東宮(産総研)=火口観測班
大久保(東大)=重力測定班
行程:
9:05 東京ヘリポート離陸
9:53 三宅島・三宅中ヘリポート着陸(大久保氏降機)
9:53 同 離陸(観測開始)
[火口観測]
10:19 三宅島・三宅中ヘリポート着陸(観測終了)
11:06 同 離陸(大久保氏乗機)
11:49 東京ヘリポート着陸
(1) 中央部.
(2) 東側.
(3) 北側.
(4) 全景.
(5) 赤い(黒い)池のクローズアップ.
(6)~(8) 特に主火口周辺の様子.
(6) 主火口付近の様子.
(7) 主火口のクローズアップ.
(8) 主火口から噴煙が上がる様子.
(9)-(10) 雄山全景.(9)は北西上空から,(10)は伊豆の三宅中学校ヘリポートから見た様子.
(11)-(12) 青白い火山ガスは伊ヶ谷方面(北西)へ流れ下っていた.
(18)-(22) カルデラ縁の様子.なお,カルデラ縁の目印に付けられた記号(a~t,u,v; A~M)については
三宅島のカルデラリム・インデックス・マップ
をご覧下さい.
(18) 南東部(L~M付近) (19) 南東~東部(H~K付近) (20) 北東部(B~E付近) (21) 北部(a~c付近) (22) 北~北西部(v~e付近)
---------- 1.概況 天気はベタ曇りで,雄山山頂直上に雲底があったが, 陥没火口(カルデラ)内部は久しぶりに良く見えた. 噴煙,地形などに大きな変化は無い. スオウ穴の水の色が鮮やかな青緑色になっていたのが印象的であった. ---------- 2.噴煙 白色の噴煙が主火口および周辺の小火口から出続けていた. 噴煙高度は,山頂直上から低い雲が拡がっていたために不明. 青白いガスは伊ヶ谷~大船戸湾方向(北西)に流下していた. ガスの量はそれほど多く感じられなかったが, それは辺り一帯にうすもやがかかっていたために淡いガスが 目立たなかったためかもしれない. ---------- 3.カルデラ内部・カルデラ縁 陥没火口(カルデラ)内部は久しぶりに良く見えた. 地形などに大きな変化は無いようだ. カルデラ壁の小規模な崩落によると思われる堆積物が 北側と東側に認められた.それぞれいつのものかは未確認. (東側のものは少なくとも7月5日よりは後) 主火口の北東麓にある噴気地帯(硫黄析出)が顕著. (有珠火山のI火口のようだ.) スオウ穴の水の色が鮮やかな青緑色になっていたのが印象的. ---------- 4.山麓の様子 今回はあまり山麓の観察は行なわなかった. 神着~伊豆付近の家々の屋根の一部に灰色っぽく見えるものがあったが, しかし,周辺の道路や木々は特に灰色になっていないので, 最近の降灰と言うわけではないらしい. ---------- 5.その他~飛行コース等について カルデラの東縁,特にスオウ穴付近を集中的に「5往復」した. カルデラ縁ギリギリまで接近していただき,速度も落としていただいたので, カルデラ内部が十分に観察でき,大変感謝している. また,左右の小窓も開けていただいた. なお,観察中,火山ガスの臭いは全く感じなかった. 以上 ----------------------------------------------------------------------