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浅間火山の概略
2,568m (浅間山), 36°24′12″N, 138°31′34″E
浅間火山は長野・群馬県境に位置する日本国内でも有数の活発な活火山である。浅間火山は群馬・長野県境にまたがる浅間・烏帽子火山群を構成する火山の一つであり、火山群の東部に位置する。浅間火山の火山体は西側の黒斑 (くろふ) 火山と東側の仏岩 (ほとけいわ) 火山、中央部の前掛 (まえかけ) 火山から構成され、周辺には小浅間山など幾つかの側火山が分布する。
黒斑火山の活動開始は7万年より古いと考えられ、およそ2万年前までに玄武岩質安山岩~安山岩質の噴出物により成層火山体が形成された。仏岩火山は約2万年前から11,000年前にかけて活動し、安山岩~流紋岩質マグマを噴出した。約13,000年前の噴火は浅間火山最大の噴火で、降下軽石の放出とともに大量の火砕流が噴出し南北麓を広く覆った (小諸第1火砕流)。その後前掛火山を中心とした活動に推移し、安山岩~デイサイト質の降下軽石・火砕流・溶岩流の噴出を繰り返した。
歴史時代には1108年と1783年の二つの大噴火が記録されている。1108年噴火 (天仁噴火) は現在の前掛山山頂火口から発生した。まず噴火初期には大量の軽石が東麓に降下し、ついでスコリア質の追分火砕流が南北の山腹の広範囲に流下した。追分火砕流は北麓では吾妻川まで、南麓では西軽井沢まで達している。追分火砕流の噴出直後、北東山腹に上の舞台溶岩が流下した。1783年 (天明3年) 天明噴火では東麓から北関東にかけて広く軽石や火山灰が降下したほか、北麓には吾妻火砕流、鎌原 (かんばら) 火砕流・岩屑流、および鬼押出溶岩が流下した。
1783年噴火以降、山頂火口では断続的なブルカノ式噴火が続いており、釜山火口周辺を中心に火山弾や火山灰を飛散させているほか、小規模な火砕流も発生している。最近の活発な噴火活動は1973年、1982-83年にやや大きな爆発的噴火が発生。その後しばらくは静穏な状態が続いたが、2003年春に小規模な火山灰放出を繰り返し、2004年9月にはブルカノ式噴火が発生した。
南東上空から見た浅間火山の地形。
50mメッシュ数値地図を使用。カシミールを用いて作成。
過去の噴火についての資料
- (工業技術院地質調査所 (現 : 産総研地質調査総合センター) 発行)
19-21世紀の活動
1783年 天明噴火
1108年 天仁噴火
小諸火砕流の噴火 (11-13ka)
火山活動史
浅間火山のテフラ
噴出物の全岩組成
浅間火山
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