GSJ 地質ニュース
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表紙
令和6年能登半島地震の緊急調査航海と,猿山岬付近の海岸隆起および斜面崩壊の痕跡
令和6年能登半島地震の震源域において,高分解能反射法音波探査を用いた緊急海洋地質調査を実施した.写真は沖合500 m付近から見た能登半島北西岸,猿山岬(石川県輪島市門前町)の様子である.海岸線から急激に立ち上がる海食崖は新第三紀前期中新世の堆積岩(道下層)からなり,スカイライン上には猿山岬灯台が聳える.海岸線を縁取る白い帯は,地震に伴う海岸隆起で生じた.白い帯の上端は地震前の低潮位面の高度を記録しており,帯の高さ(幅)は海岸の隆起量(この地域の隆起量は約4 mとされている)を表す.白い帯を覆う土石流堆積物は,強震動によって斜面崩壊が発生したことを物語る.
(写真・文:大上隆史 産総研 地質調査総合センター活断層・火山研究部門)
目次
全ページ PDF : gsj_cn_vol13.no11.pdf[30MB]
頁 | タイトル / 著者 | |
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表紙・目次・裏表紙 | 令和6年能登半島地震の緊急調査航海と,猿山岬付近の海岸隆起および斜面崩壊の痕跡 / 大上隆史 | 7.6MB |
p.281-283 | 令和6年(2024年)能登半島地震の概要と産総研の対応 / 藤原 治 ・今西和俊 | 1.8MB |
p.284-291 | 令和6年能登半島地震に先行して長期継続した群発地震 / 雨澤勇太 | 2.8MB |
p.292-296 | 地下水資源の維持に重要なエリアがひと目でわかるマップが完成 —水文環境図「越後平野(信濃川流域)」の公開— / 町田 功・坂東和郎・藤野丈志・小酒欽弥・五十石浩介・野内冴希・小西雄二・井川怜欧・松本親樹・内田洋平・シュレスタ ガウラブ・バトデンベレル バヤンズル・福本幸一郎 | 13MB |
p.297-299 | 地質標本館特別展「GSJ のピカイチ研究 —2023 年のプレスリリース等で発信した成果より—」の開催 / 森田澄人 ・都井美穂 ・清水 恵 ・地質標本館室運営グループ | 994KB |
p.300-303 | 2024年度第1回地質調査研修(地質図作成未経験者向け)実施報告 / 利光誠一・羽地俊樹・住田達哉 | 4MB |
p.304-306 | 土壌中のナノプラスチック濃度の測定技術を開発—地圏環境中に拡散したプラスチック粒子量分布の把握に貢献— / 土田恭平・井本由香利・斎藤健志・原 淳子・川辺能成 | 877KB |
p.307-309 | 書籍紹介 「地形環境史研究 —地理学と考古学・歴史学の接点—」 | 559KB |