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海面下を漂流する軽石
Pumice drifting below the sea surface

活断層・火山研究部門,地質情報研究部門
開設:2021年12月17日

 2021年11月7日-11日の間、産総研研究者が東海大学海洋調査研修船「望星丸」によるトカラ列島地域の海域地質に関する調査航海乗船中、奄美大島の瀬戸内町古仁屋港沖にて海面下を漂流している軽石試料を回収した。この際海面上に明瞭な軽石いかだは視認されていないため、軽石は海面上を浮遊していたのではなく、海面下を漂流していたことを示す。
 軽石試料は,1)古仁屋港沖にて停船中に船尾からプランクトンネット(網の目は0.33 mm)を係留し(写真1)、概ね海面下1 m程度までに漂流している軽石を回収したもの(写真2)、2)船底に設置されている研究用海水取水口に取り付けられたストレーナにたまっていたもの(写真3)、からなる。 海面に軽石が認められなくとも、海面下を漂流している場合があるので注意が必要である。

写真1 古仁屋港沖にてプランクトンネットによる試料採取の様子。海面に軽石は見られない。写真1 古仁屋港沖にてプランクトンネットによる試料採取の様子。海面に軽石は見られない。

写真1 古仁屋港沖にてプランクトンネットによる試料採取の様子。海面に軽石は見られない。

Photo 1 Sampling of pumice using a plankton net off Koniya port. No pumice clasts were observed on the sea surface.

写真2 写真1に示したプランクトンネットによりに回収された軽石。最大粒径約1cm。

写真2 写真1に示したプランクトンネットによりに回収された軽石.最大粒径約1 cm。

Photo 2 Pumice clasts pulled up on board using a plankton net. Maximum grain size is about 1 cm.

写真3  11月7日に望星丸船底の研究用海水取水口ストレーナから回収された軽石。最大粒径2cm程度。取水口は海面下約5mまでの海水を採取している。中之島周辺から奄美大島へ航行中に取り込まれたものと考えられる。

写真3 11月7日に望星丸船底の研究用海水取水口ストレーナから回収された軽石。
最大粒径2 cm程度。取水口は海面下約5 mまでの海水を採取している。中之島周辺から奄美大島へ航行中に取り込まれたものと考えられる。

Photo 3 Pumice clasts recovered from a strainer fitted to intake of seawater used for research. Maximum grain size is about 2 cm. Intake is as deep as 5 m below the sea surface. These pumice clasts were captured while the ship sailed from around Nakanoshima Island to Amami-Oshima Island.

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産総研地質調査総合センター