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伊豆大島火山地中温度モニタリング

地温変動の原因その2

火山活動の影響

 風向の変化だけでは説明できない地温の変化も見られます。それは、三原山山頂部B火口脇の観測点の温度変化と、櫛形山麓の観測点の温度変化が同期して変化(相関)している場合です。櫛形山麓の観測点からみて周辺の噴気は西側にあるので北から東向きの風が影響しているとは考えられません。両観測点が距離的に離れている(約1km)ことから、山頂カルデラ程度の空間的な規模で起きている現象に起因している想像されます。例えば、噴気活動をもたらしている火山ガスは地下でマグマから脱ガスしているのですが、その脱ガス量の時間的な変動を反映している可能性があります。温度変化の相関は、B火口脇の観測点Ch.4と櫛形山麓の観測点Ch.6とCh.7の間で良く見られますので、Ch.4とCh.7を併せて示した図とCh.4とCh.6を併せて示した図を各年ごとに作成しました(図7~13)。そして両者の相関が顕著な時を矢印で記しました。なお、Ch.4はB火口の噴気だけではなく、観測点の南方にある伊豆大島火山の主たる噴気活動域にも近く、その影響も受けていると考えられます。

図7 2018年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。

図7 2018年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。


図8 2019年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。

図8 2019年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。


図9 2020年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。

図9 2020年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。


図10 2021年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。

図10 2021年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。


図11 2022年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。

図11 2022年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。


図12 2023年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。

図12 2023年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。


図13 2024年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。

図13 2024年における山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.7)の比較(上段)および山頂部の観測点(Ch.4)と櫛形山麓の観測点(Ch.6)の比較(下段)。緑矢印の時点で両者の相関が認められる。