平成30年6月18日大阪府北部の地震(M6.1)の前震、本震、余震のメカニズム解
2018年6月29日 作成
今西和俊・内出崇彦(活断層・火山研究部門)
平成30年6月18日大阪府北部の地震(M6.1)の震源域周辺の微細構造と応力場の特徴を明らかにするために、定常観測網の地震データを利用してこれまでの活動の前震、本震、余震のメカニズム解を推定した(図1)。西北西−東南東に圧縮軸を持つ逆断層型と横ずれ型で占められており、この地域の典型的な応力場(例えば、Matsushita and Imanishi, 2015)の元で発生したことが伺える。
図1 平成30年6月18日大阪府北部の地震(M6.1)の前震、本震、余震のメカニズム解
(a) 本研究で推定されたメカニズム解(下半球投影)。解析期間は2018年6月18日から6月20日までで、マグニチュードは1.5以上である。メカニズム解のタイプを視覚的に判断しやすくするためにFlohlich(1992)の三角ダイアグラム(下)を使い、逆断層成分、正断層成分、横ずれ成分のそれぞれの比率に応じて色分けを行った。黒線は活断層研究会(1991)による活断層。(b) 断層タイプごとのメカニズム解分布。推定されたメカニズム解は逆断層型と横ずれ型が混在している。割合としては横ずれ型が多い。どちらのタイプの地震も余震域全域にわたって発生している。本震が発生する6時間55分前に、本震とほぼ同じ場所でM0.9の地震(前震)が発生しているが、この地震のメカニズム解も推定したところ、本震に極めて似た逆断層タイプであることがわかった。
謝辞:メカニズム解推定には産総研の観測波形データに加えて、防災科学技術研究所(Hi-net)、気象庁、京都大学防災研究所のデータも使用させていただきました。震源決定では気象庁一元化カタログの読み取り値を使用しました。図の作成にはGeneric Mapping Tool(Wessel and Smith, 1998)を使用しました。記して感謝いたします。
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