第三報 AIによる自動検測に基づく2024年能登半島地震の余震分布

活断層・火山研究部門 内出崇彦

 2024年1月1日16時から1月2日12時までの余震分布を、AIによる自動検測に基づく相対震源決定(PhaseNet(Zhu and Beroza, 2019)による検測、REAL (Zhang et al., 2019)による検測値の取りまとめ、hypoDD (Waldhauser and Ellsworth, 2000)による震源再決定)により得た。データは、防災科学技術研究所高感度地震観測網(Hi-net)、気象庁、東京大学地震研究所、京都大学防災研究所による観測地震波形データを使用した。点の色は震源の深さを示す。茶色の四角形は「日本海における大規模地震に関する調査検討会報告書 データ集②[断層パラメータの設定]」(日本海における大規模地震に関する調査検討会, 2014)のF43断層の位置を示す。太線の辺は断層モデルの最浅部を示す。今回の地震がF43断層で起こったかどうかは、今後詳細な分析により明らかにしていく予定である。

図1 2024年1月1日16時から1月2日12時までの余震分布。<br />点の色は震源の深さを示す。<br />茶色の四角形は「日本海における大規模地震に関する調査検討会報告書 データ集②[断層パラメータの設定]」(日本海における大規模地震に関する調査検討会, 2014)のF43断層の位置を示す。太線の辺は断層モデルの最浅部を示す。

図1 2024年1月1日16時から1月2日12時までの余震分布。点の色は震源の深さを示す。
茶色の四角形は「日本海における大規模地震に関する調査検討会報告書 データ集②[断層パラメータの設定]」(日本海における大規模地震に関する調査検討会, 2014)のF43断層の位置を示す。太線の辺は断層モデルの最浅部を示す。

謝辞

防災科学技術研究所高感度地震観測網(Hi-net)、気象庁、東大地震研、京大防災研による観測地震波形データを使用しました。地震波形データに基づく余震分布の推定には、AIによる地震波形処理プラットフォームのSeisBench (Woollam et al., 2022)、自動検測モデルPhaseNet (Zhu and Beroza, 2019)、検測値の取りまとめ(Phase Association)手法REAL (Zhang et al., 2019)、相対震源決定法hypoDD (Waldhauser and Ellsworth, 2000)を使用しました。

文献

  • 日本海における大規模地震に関する調査検討会(2014)
    https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/daikibojishinchousa/
  • Waldhauser, F. and Ellsworth, W. L. (2000) A double-difference earthquake location algorithm: Method and application to the northern Hayward fault, California. Bulletin of the Seismological Society of America, 90, 1353-1368, doi:10.1785/0120000006.
  • Woollam, J., Münchmeyer, J., Tilmann, F., Rietbrock, A., Lange, D., Bornstein, T., Diehl, T., Giunchi, C., Haslinger, F., Jozinović, D., Michelini, A., Saul, J. and Soto, H. (2022)SeisBench—A Toolbox for Machine Learning in Seismology. Seismological Research Letters, 93, 1695-1709, doi:10.1785/0220210324.
  • Zhang, M., Ellsworth, W. L. and Beroza, G. C. (2019) Rapid Earthquake Association and Location. Seismological Research Letters, 90, 2276-2284, doi:10.1785/0220190052.
  • Zhu, W. and Beroza, G. C. (2019) PhaseNet: a deep-neural-network-based seismic arrival-time picking method. Geophysical Journal International, 216, 261-273, doi:10.1093/gji/ggy423.

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