札幌市清田区の地質

2018年9月7日

 9月6日未明に発生したM6.7の地震で、札幌市清田区里塚、美しが丘付近で大きな被害が生じました。この付近は標高約60~80mほどの台地となっており、4万年ほど前に支笏カルデラが形成されたときに噴出した支笏火砕流堆積物でできています。古い空中写真や地質図を見ると、火砕流台地には侵食作用でつくられた谷がいく筋か走っており、そこを造成、盛土して住宅街が作られています。現時点で確認できる被災地は、いずれも旧谷地形を谷埋め盛土した地域にあります。
 東日本大震災では丘陵部に造成された大規模盛土造成地が地すべりを起こして大きな問題となりました。このような盛土は液状化も起こしやすいことが知られています。今回の地震では、前日までの降雨の影響もあり、谷埋め盛土で液状化現象が起こったと考えられます。

図1 液状化が発生した場所図1 液状化が発生した場所(赤丸地点)

https://gbank.gsj.jp/geonavi/geonavi.php?lat=42.98196&lon=141.45365&z=15&layers=281  地質図Naviで表示

上:北海道立地下資源調査所の5万分の1地質図幅「石山」(土居・小山内、1955)
下:国土地理院「地理院地図」から1961年撮影の「MH0613A-C21」

問い合わせ先

産総研地質調査総合センター