GSJ 地質ニュース
表紙
日高山脈南端に分布する襟裳累層とその起源
日高山脈の南端部は襟裳岬を経て太平洋に水没している.ここには日高山脈の峰々を構成する変成岩や火成岩は露出せず,襟裳累層下部を構成する厚い礫層が分布する.本累層は従来中期中新世に発生したファンデルタ堆積物と解釈されてきたが,渦鞭毛藻化石の発見によりその下限は後期漸新世に修正された.ここから採取された花崗岩ブロックの黒雲母K-Ar年代は33〜30 Maを示し,礫層の堆積年代と近接することから,襟裳累層の造構場が日高変成帯の初期の上昇と深く関わっていると理解されている.
(写真・文:地質調査総合センター地質情報研究部門 七山 太)
目次
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頁 | タイトル / 著者 | |
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表紙・目次・裏表紙 | 日高山脈南端に分布する襟裳累層とその起源 / 七山 太 | 3MB |
口絵 | ||
p.143-144 | ピナクルズ(Pinnacles)とナンブング国立公園にひろがる砂漠地帯 / 岩男弘毅 | 830KB |
p.145-147 | 産総研の海外卓越研究員招聘制度によるFORCaistプロジェクト — 地層の磁気記録機械学習から気候変動の解明へ — / 森田澄人・小田啓邦・田中裕一郎・赤穗昭太郎 | 707KB |
p.148-155 | 都市域の地質地盤図「千葉県北部地域」の公開 —首都圏の3次元地質情報整備の事始め— / 中澤 努・野々垣 進 | 2.15MB |
p.156-158 | タイ・バンコクにて東南アジア初の熱応答試験実施/内田洋平・藤井 光 | 1.5MB |
p.159-161 | CCOP-GSJ-MME Groundwater Project Phase III Meeting 開催報告/内田洋平・シュレスタ ガウラブ | 826KB |
p.162-163 | 書籍紹介 「人類と気候の10万年史」 | 619KB |
p.164-166 | 新人紹介 北村真奈美・井口 亮・須田 好・清家弘治・吉川美穂・南 裕介 | 1.6MB |