GSJ 地質ニュース
表紙
栃木県鹿沼市の下部三畳系遠洋性粘土岩
ジュラ紀付加体の遠洋性深海堆積物は基本的にチャートからなるが,ペルム系最上部から中部三畳系最下部にかけては特異的に灰色珪質粘土岩と黒色有機質粘土岩からなることが知られている.栃木県鹿沼市に建設中の南摩ダム周辺で,大規模な灰色粘土岩と黒色粘土岩の露頭が現れた.これら粘土岩からなる地層は,写真中央から左の部分に顕著なように,一般に褶曲や破断による変形のために層序復元が難しい.そのため,かつて黒色粘土岩はペルム紀末大量絶滅の層準からしか知られていなかったが,近年の研究で絶滅から約200万年後と約500 万年後にも同様の黒色粘土岩が堆積したことが明らかになっている.なお,南摩ダムには,独立行政法人水資源機構思川開発建設所の許可を得て,建設工事現場への立ち入り及び調査・撮影を行った.
(写真:伊藤 剛 ・文:武藤 俊
産総研地質調査総合センター地質情報研究部門)
目次
全ページ PDF : gsj_cn_vol11.no11.pdf[25MB]
頁 | タイトル / 著者 | |
---|---|---|
表紙・目次・裏表紙 | 栃木県鹿沼市の下部三畳系遠洋性粘土岩 / 伊藤 剛 ・武藤 俊 | 3.8MB |
p.331-353 | 資源産業と地質との関わりを直接学べる南関東ガス田での見学会の魅力とは-石油技術協会の見学会での実施経験を振り返って(温故知新の旅) -第4部 特別見学会(地質編)2:天然ガス自然湧出現場(瑞沢川 西門橋)と大田代層(いすみ市文化とスポーツの森)の見学 / 徳橋秀一 |
16.5MB |
p.354-358 | 「地質情報展2022 あいち―発見!あいちの大地―」開催報告 / 遠山知亜紀・宮下由香里・渡辺真人・利光誠一 | 2.2MB |
p.359-361 | 日本地球惑星科学連合2022 年大会の展示ブース出展報告 / 遠山知亜紀・斎藤 眞・宮下由香里・宍倉正展・利光誠一 | 2MB |
p.362 | 新人紹介 左部翔大・寒河江皓大 | 1.2MB |