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衛星画像 (ASTER) を用いて
パキスタン地震による大規模地すべりを観測 〜続報
崩壊域が断層沿いに集中して分布
地質情報研究部門 地質リモートセンシング研究グループ 主任研究員 浦井 稔
活断層研究センター 地震テクトニクス研究チーム 研究チーム長 粟田泰夫
10月8日にパキスタン北東部で発生した地震 に関する ASTER の緊急観測結果の続報です。
10月18日に撮影したASTER画像には多くの崩壊域 (地すべり) が見られましたが、その多くがこの地域を走る2本の断層に沿って集中して分布していることが、図1・図2のように分かりました。
なお、ASTERを用いた観測についての詳細は以下のページをご覧下さい
衛星画像 (ASTER) を用いてパキスタン地震による大規模地すべりを観測
図1 (a) は地震前、(b) は地震後の2005年10月18日に観測された震央付近のASTER画像。赤色で示されている部分は植物が生えているところ。(b) では多数の崩壊域 (白く見える部分) が見られますが、主に2本の帯状に分布しているのが分かります。2本の帯は断層に対応していて、緑色の楕円はムザファラバード断層 (Muzaffarabad Fault) に沿う崩壊域、黄色の楕円はタンダ断層 (Tanda Fault) に沿う崩壊域です。白色の円はムザファラバードの街の位置を示します。ASTERデータの権利は経済産業省に帰属します。
図2 ASTERで作成した地形データ (DEM) にASTER画像を貼り付け、北西方向が上になるように回転した3-D画像です。
参考
ムザファラバード断層・タンダ断層については例えば下記の報告があります:
パキスタン北部地震 震源地域の活断層 (予察) (日本地理学会 災害緊急速報)
up: 2005/10/25
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