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印刷の専門用語

青焼き

原稿を密着透過露光させて感光紙に焼き付け、アンモニアで現像したもの。ジアゾコピーともいいます。感光した箇所が青くなるため青焼きと呼ばれます。

PS版 (Pre-sensitized Aluminum Plate)

感光剤を塗付したアルミニウム板。オフセット印刷のときに版の材料として使われています。フィルムを密着し露光して現像処理を行うと、感光した部分が親油性、それ以外の部分は親水性の性質を持つようになる版材(製版の図を参照)です。

CTP製版

コンピューター・トゥ・プレート(Computer To Plate)の略で、印刷製版行程において、コンピューターのデータから直接印刷版に出力する方式です。現在この方式が主流となっています。

オフセット印刷の解説

印刷方法には、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷があり、オフセット印刷は平版印刷です。

凸版印刷は、印鑑や木版画の手法で、版の盛り上がったところについたインクを紙に押しつけて印刷します。

凹版印刷は、金属や石などの版に彫刻し、版面全体にインクを塗ったあと、表面のインクをそぎ取り、彫刻によるへこみに残ったインクを、プレスで紙に押しつけて印刷します。お札などにも使われます。1950年代までは地質図もこの方法でした。

図:オフセット印刷

平版印刷は、版面に凹凸がなく、版面に水になじみやすく油性インクのつかない部分と、水になじまず油性インクになじむ部分をつくり、版面をぬらしてからインクを塗ることによって、油性インクになじむ部分だけにインクをつけて印刷します。オフセット印刷はこうしてついた版面のインクを油性インクになじみやすいゴムのドラムに一度転写してから紙に押しつけて印刷するやりかたで、むらなくきれいに印刷できます。現在のカラー印刷の多くがこの手法を用いていますが、地質図幅の場合、高精度で多色 (ふつう7色以上) のオフセット印刷を用いています。

オフセット印刷は水と脂肪 (印刷インク) の反発を巧みに利用した化学的な印刷方式です。他の印刷が逆画像の版面から直接紙面に正画像印刷されるのに対し、正画像の版面からインク画像をいちどゴムブランケット面に転写し、それから紙に正画像印刷します。

「マスク版ってなに?」

地質図の印刷には、最低でも鼠、黒、水、紅、藍、黄、特赤の7色のインクが使われます。各色について専用の版が必要になり、これを作る工程を製版といいます。一般には感光剤を塗ったアルミ版 (PS版) に線や濃淡を出す網点を焼き付け、それを現像して作ります (下図を参照)。製版は写真のプリントの工程とよく似ています。
製版では、インクの付く部分が透明になったネガフィルムを作って、PS版に焼き付けます (ネガタイプ製版)。このフィルムのことを マスク版 と呼びます。

このマスク版を使った版の焼き付けも、フィルムの生産中止やパソコンからネガフィルムに直接出力できるようになって、地質図幅の印刷には使われなくなりました。

図:ネガタイプ製版の仕組み

図:多重焼きの仕組み

参考資料:(社)日本地図調製業協会「地図調整の手引」

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