地質調査総合センター研究資料集、no. 692

富士火山、箱荒沢トンネルの火山岩試料位置
Sample localities for volcanic rocks in the Hakoaraswa tunnel, Fuji Volcano, Japan

小野晃司*1・山元孝広*2

*1工業技術院地質調査所(元職員)、*2産業技術総合研究所地質調査総合センター 活断層・火山研究部門

ONO Koji*1 and YAMAMOTO Takahiro*2

*1Geological Survey of Japan, Agency of Industrial Science and Technology (previous affiliation),
*2Institute of Earthquake and Volcano Geology, Geological Survey of Japan, AIST

内容紹介:

 この研究資料集は、故小野晃司氏が地質調査所在職中の1962年3月22日に、富士山南西山腹の箱荒沢トンネルで採取した岩石試料のポイントマップと野帳のコピーで、富士火山の地質学的調査のために山元孝広が譲り受けたものである。岩石試料はR65448〜R65468(原番号1〜22B)として、故人により既に地質調査総合センターへ登録されている。箱荒沢トンネルは、富士総合開発株式会社が富士宮登山道一合目近くの箱荒沢の海抜1050mの地点において掘進した長さ2000m以上に達する水平坑道で、地質の詳細はTsuya(1962)に詳しい。ポイントマップの原図も津屋弘達氏が作成したもので、Tsuya(1962)のFigure 7の原図とみられる。なお、このトンネルは、現在、立ち入り不可能である。地質調査総合センターでは、2016年の富士火山地質図第2版出版後、研究に使用した試料やデータの登録を順次進めており、記載内容が貴重であることから本資料を公開する。

参考:Tsuya, H. (1962) Geological and Petrological Studies of Volcano Fuji (VI) : 6. Geology of the Volcano as Observed in Some Borings on its Flanks. 東京大学地震研究所彙報 40, 767-804.

本研究資料集のCD-ROMに収められたファイルは下記の通りです。

  • gsj_openfile_692.zip(6MB)
    • ポイントマップ gsj_openfile_692_1.jpg (5.9 MB)
    • 野帳のコピー gsj_openfile_692_2.pdf (132 KB)

受理日:2020年2月4日

引用例:

小野晃司・山元孝広(2020)富士火山,箱荒沢トンネルの火山岩試料位置,no.692,産総研地質調査総合センター.

Citation:

Ono,K. and Yamamoto, T. (2020) Sample localities for volcanic rocks in the Hakoaraswa tunnel, Fuji Volcano, Japan. Open-File Report of the Geological Survey of Japan, AIST, no.692.