地質調査総合センター研究資料集、no. 615

噴火推移資料集(その1)
Sourcebook of eruption sequence in Japan; series 1

及川輝樹*1・宝田晋治*1・東宮昭彦*1・下司信夫*1・星住英夫*1・川辺禎久*1・古川竜太*1・石塚吉浩*1

*1産業技術総合研究所地質調査総合センター 活断層・火山研究部門

Teruki Oikawa*1, Shinji Takarada*1, Akihiko Tomiya*1, Nobuo Geshi*1, Hideo Hoshizumi*1, Yoshihisa Kawanabe*1, Ryuta Furukawa*1, Yoshihiro Ishizuka*1

*1Institute of Earthquake and Volcano Geology, Geological Survey of Japan, AIST

内容紹介:

 日本列島における最近400年間に発生した13のプリニー式及び準プリニー式噴火の推移を,文献情報を基にまとめた。各噴火の推移を表にまとめ、年、月、日単位での推移が概観できるように図にまとめている。本資料集でまとめた噴火は、以下の噴火である。

火山名 噴火イベント名 都道府県名 西暦(AD、年) 噴火
M
VEI 取りまとめ
諏訪瀬島 文化 鹿児島 1813 4 4 下司
桜島 大正 鹿児島 1914 5 5 古川
桜島 安永 鹿児島 1779 1781 5 5 及川
伊豆大島 1684-90年噴火 東京 1684 1690 4.5 4 川辺
富士山 宝永 静岡・山梨 1707 5.2 4 石塚
浅間山 天明 群馬/長野 1783 5.1 4 下司
北海道駒ヶ岳 1856年噴火 北海道 1856 4.3 4 宝田
北海道駒ヶ岳 1694年噴火 北海道 1694 4.6 4 宝田
北海道駒ヶ岳 1640年噴火 北海道 1640 5.5 5 宝田
有珠山 1853年噴火 北海道 1853 4.5 4 星住
有珠山 1822年噴火 北海道 1822 4.4 4 東宮
有珠山 1769年噴火 北海道 1769 4 4 星住
有珠山 1663年噴火 北海道 1663 5.4 5 東宮

これらの噴火の推移は,以下の3つのパターンに大きく分けられる。

  • 1) 3年(千日)から数日前の間に比較的小さな規模の噴火が発生し、大規模な噴火(プリニー式ないし準プリニー式噴火)に移行する。その後、比較的小さな噴火(溶岩流の流出を含む)を数日から数年の間に発生して終了(小→大→小)。例:諏訪瀬島文化、伊豆大島1684-90年、浅間山天明、有珠山1663、1822、1769、1853年。
  • 2) 大規模な噴火が発生した後、比較的小さな噴火を数日から数年の間に発生して終了(大→小)。例:桜島安永、大正、富士山宝永、北海道駒ヶ岳1640、1856年
  • 3) 大規模な噴火が数日程度以内継続して終了(大)。例:北海道駒ヶ岳1694年

受理日:2015年3月16日

引用例:

及川輝樹・宝田晋治・東宮昭彦・下司信夫・星住英夫・川辺禎久・古川竜太・石塚吉浩(2015)噴火推移資料集(その1),地質調査総合センター研究資料集,no.615,産業技術総合研究所地質調査総合センター

Citation:

Teruki Oikawa, Shinji Takarada, Akihiko Tomiya, Nobuo Geshi, Hideo Hoshizumi, Yoshihisa Kawanabe, Ryuta Furukawa, Yoshihiro Ishizuka (2015) Sourcebook of eruption sequence in Japan; series 1. GSJ Open-File Report, no.615, Geological Survey of Japan, AIST