地質調査所月報 Vol.52 No.1 (2001)
表紙
茨城県霞ヶ浦町崎浜の化石カキ礁
このカキ礁の露頭は高さ5m、幅約70mにわたって観察され、現在食用としている"マガキ"Crassostrea gigas (Thunberg) によって構成されている。中期更新世には"古東京湾"が茨城南部にも広がり、湾奥にあたる霞ヶ浦周辺は塩分濃度が低く、カキ礁が形成された。カキは海面上昇に伴い前の世代の殻を土台にして次の世代のカキが固着することにより、泥質底中に直立して生息する。これをリレー型戦略 (右下の写真) と呼び、縦横に連続することによってカキ礁が発達する。しかしこの露頭でリレー型戦略を示す産状は少なく、大半のカキ殻は横倒しになっており、潮流や波浪によって集積されたと推定される (左下の写真)。
(写真撮影 : 筑波大学地球科学研究科 中島 礼)
目次
タイトル | 著者 | |
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(57-70) | 52-01_05.pdf (1,959KB) |