地質調査所月報 Vol.50 No.2 (1999)
表紙
北海道石狩平野の遺跡発掘現場に現れた液状化跡
ここでの遺跡発掘調査は、札幌市東区栄町にある札幌飛行場 (丘珠空港) 北西隣に計画された 「つどーむ」の建設工事に先行し、札幌市埋蔵文化財センターによってH37遺跡栄町地点B地区 (本号掲載の磯部ほか論文中の地点18の北北西約0.25km、浅層地質タイプA) で行われた。表紙の斜め写真は発掘現場を南方から撮影したもので、札幌市文化財調査報告書57 (札幌市教育委員会、1998) によれば、南北に伸びる砂脈とそこからほぼ直交して東西に伸びる砂脈とに大別され、これらが 1200-1834年 (石狩地震発生) の間のものと、1834年の二時期のものが存在するとされる。発掘後の地盤高は東で5.3m、西で4.5m、4.5m以下の低まりが中央北端部から南へ少々伸び、湾曲した砂脈の方向は微地形と密接に関係するように見える。なお、本号論文中に上記報告書が引用されていないのは、その脱稿後に入手されたためである。
(文 : 磯部一洋、写真撮影 : 札幌市埋蔵文化財センター 1996年8月21日)
目次
タイトル | 著者 | |
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札幌付近における浅層地質類型図と液状化跡の存否 | 磯部一洋・羽坂俊一・下川浩一・七山 太 (83-90) | 50-02_01.pdf (2,064KB) 2021.04.08更新 |
岡山県阿哲台のトゥファ -地質・地形・水質からみたトゥファの堆積条件と堆積機構- | 中孝 仁・狩野彰宏・佐久間浩二・井原拓二 (91-116) | 50-02_02.pdf (6,646KB) |
短報 | ||
茨城県岩間町長沢産藍鉄鉱-泥質変成岩からの産出例- | 坂野靖行・豊 蓬秋・春名 誠・河野雅英 (117-121) | 50-02_03.pdf (1,065KB) |
第256回地質調査所研究発表会講演要旨 特集:炭化水素ポテンシャルにまつわる最近の基礎的研究成果 |
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口頭発表 房総半島における中部中新統の複合年代層序 | 渡辺真人・高橋雅紀・三田 勲・本山 功 (123-129) | 50-02_04.pdf (906KB) |
本邦中新統における石灰質ナンノ化石帯CN5a/CN5b境界のK-Ar年代 | 高橋雅紀・田中裕一郎・三田 勲 (123-129) | |
第三紀珪藻化石層序の進歩と北陸地域中新統の珪藻化石層序 | 柳沢幸夫 (123-129) | |
東北日本の反時計回転運動:現時点でのまとめ | 星 博幸・高橋雅紀 (123-129) | |
秋田-山形油田堆積盆内の中期中新世後半-鮮新世火山活動 | 土谷信之 (123-129) | |
油田・ガス田堆積盆における新第三系・第四系タービダイト・サクセッションの時系列解析-新潟及び房総堆積盆の解析例から- | 徳橋秀一・石原与四郎・宮田雄一郎・三田 勲 (123-129) | |
堆積物中のアルケノン組成による北部日本海の古環境変遷の復元 | 沽宮正利 (123-129) | |
東北日本新第三系堆積岩中のホパン酸と28-ノルホパン酸の起源と古海洋学的意義 | 山本正伸・荻原成騎・奈良岡浩・石渡良志・山本修一 (123-129) | |
分子熟成指標による原油の熟成度評価 | 金子信行・坂田 将・武田信從 (123-129) | |
日本の天然ガスの組成の決定要因について | 猪狩俊一郎 (123-129) | |
重質炭化水素の炭素同位体比の測定法 | 坂田 将・前川竜男・古宮正利・金子信行 (123-129) | |
石炭の石油根源岩としてのポテンシャル | 鈴木祐一郎 (123-129) | |
PCとフリーソフトで作る簡易探鉱データベース | 棚橋 学 (123-129) | |
北海道西方海域から得られた海底堆積物中の有機物組成の地球化学的研究 | 寺島南美子・古宮正利・寺島 滋・井内美郎・加藤喜久雄 (123-129) | |
GC/C/MSによる天然ガス成分の炭素同位体分析 | 金子信行・前川竜男・猪狩俊一郎・坂田 将 (123-129) | |
第257回地質調査所研究発表会講演要旨 特集:地球環境と地質調査所-古環境を中心にして- |
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非在来型資源量評価に向けて一ブレークリッジにおけるガスハイドレート量測定手法とその結果 | 渡部芳夫 (131-136) | 50-02_05.pdf (814KB) |
地球環境と古環境 | 中尾征三 (131-136) | |
海洋における物質循環と古環境研究 | 西村 昭 (131-136) | |
サンゴ骨格を用いた過去200-300年間の海洋および気候変動の復元 | 川幡穂高 (131-136) | |
地球環境問題と海水準変動:過去の変動から学ぶ | 斎藤文紀 (131-136) | |
古環境解析と化学物質 | 半田暢彦 (131-136) | |
湖沼堆積物に記録された地球環境変遷史-琵琶湖・バイカル湖・岱海- | 井内美郎 (131-136) | |
中国の沙漠および沙漠周辺地域における地質・水文調査の一例 | 石井武政 (131-136) | |
日本海の海洋古環境と周辺陸域の古気候の変遷-海底堆積物に記録された東アジアの環境変動- | 池原 研 (131-136) | |
サンゴ礁は二酸化炭素の放出源か? | 川幡穂高・鈴木 淳 (131-136) | |
地球化学図一元素の分布から何がわかるか? | 今井 登 (131-136) | |
二酸化炭素排出の少ない自然エネルギー:地質調査所における地熱研究 | 藤本光一郎・地殻熱部一同 (131-136) | |
ERS/SARインターフェログラムと関東平野南部の地盤沈 | 佐藤 功・Mark HAYNES (131-136) | |
火山ガス放出量と地球環境における意義 | 風早康平・篠原宏志 (131-136) | |
環境変動要因としてのメタンハイドレート | 棚橋 学・金子信行・渡部芳夫・前川竜男 (131-136) | |
外部誌上発表 | 50-02_06.pdf (329KB) |