GSJ 地質ニュース
表紙
湖底に年縞ラミナと津波堆積物が認められる海跡湖,釧路市春採湖
釧路市街地にある春採 湖は太平洋に面し,周囲の海成段丘面を穿入蛇行して削り込む形状から,最終氷期に発生した谷が,その後の海進期にエスチュアリーに変化し,湾口砂州によって閉塞されて現在の海跡湖に変移したと推測されている.現在の湖水深は2~6 m程であるが,その上位は淡水層,下位は無酸素状態の海水層の2 層構造からなる.そのため,湖底では底生生物が棲息出来ず,珪藻のブルーミングによって生じた年縞ラミナが保存されている.一方,この湖は千島海溝沿岸に立地することから,その湖底には超巨大地震による多数の津波堆積物の存在が明らかにされている.
(写真・ 文:七山 太 産総研地質調査総合センター地質情報研究部門,
渡辺和明 産総研地質調査総合センター地質情報基盤センター)
目次
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頁 | タイトル / 著者 | |
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表紙・目次・裏表紙 | 湖底に年縞ラミナと津波堆積物が認められる海跡湖,釧路市春採湖 / 七山 太・渡辺和明 | 612KB |
p.83-89 | 栃木県シームレス地質図 ~新たな地質図の試み~ / 吉川敏之 | 1.6MB |
p.90-92 | 第31回GSJシンポジウム 地圏資源環境研究部門研究成果報告会「地下水,土壌,地中熱の基盤データ整備と利活用」 開催報告 / 地圏資源環境研究部門広報委員会 |
1.2MB |
p.93-96 | 第32回GSJシンポジウム「神奈川の地質と災害」開催報告 / 中島 礼・野々垣 進・納谷友規・中村淳路・中村佳博・阿部朋弥 | 1MB |
p.97-110 | J. J. ライン著「日本における自然科学的研究旅行」邦訳 ―日光および仙台・南部海岸― / 山田直利・矢島道子 | 1MB |