GSJ 地質ニュース
表紙
臨海活火山である恵山と津波災害の危険性
渡島半島南東端に位置する恵山火山(標高618m)は,新第三紀の外輪山溶岩と8,000年前に生じた溶岩ドームからなる二重式火山である.完新世においても度々火砕流や火砕サージが発生した活火山であり,直近の大噴火は西暦1400年頃にあったらしい.現在最も活動的な噴気が見られる地獄谷は,2,500年前の大規模噴火により山体が崩壊することにより生じた爆裂火口である.近い将来,このような山体崩壊が発生し,津軽海峡側に土砂が流入した場合,函館市や対岸の下北半島沿岸に向かう津波の発生が危惧されている.赤茶けた火山の地肌が露出しており,荒々しい山容や噴気の様子から,古くから恐山と並ぶ霊場として知られている.函館市日ノ浜海岸から北東方向に向かって撮影した.
(写真・ 文:産総研地質調査総合センター地質情報研究部門 七山 太)
目次
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頁 | タイトル / 著者 | |
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表紙・目次・裏表紙 | 臨海活火山である恵山と津波災害の危険性 / 七山 太 | 2.3MB |
p.61-63 | 地球化学プロセスと地震発生周期の関係性を考える / 最首花恵・大坪 誠 | 1MB | p.64-65 | 経済産業省こどもデー出展報告「もしも身近なところで地しんがおきたら」 / 落 唯史・兼子尚知・川邉禎久・斎藤 眞・野々垣 進・宮地良典 |
4MB |
p.66-69 | 湖底堆積物から探る富士山の噴火史-本栖湖に残されていた未知の噴火の発見- / 藤原 治・Stephen Obrochta・横山祐典・宮入陽介・常松佳恵 | 1.5MB |
p.70-74 | 沖縄の「碧い海」の下の地質調査 / 荒井晃作 | 4.4MB |
p.75-77 | 女子大学院生・ポスドクのための産総研所内紹介と在職女性研究者との懇談会開催報告 / 加野友紀・針金由美子・産総研ダイバーシティ推進室 | 10MB |
p.78-80 | 「GSJ 筑波移転」第6 回 追想 - 筑波移転と研究体制 / 坂巻幸雄 | 573KB |
p.81-82 | 新刊紹介「地球46億年 気候大変動」 | 904KB |