GSJ 地質ニュース
表紙
北見神威岬に露出するイドンナップ帯北端の現地性緑色岩
北見神威岬は,オホーツク海に突き出す岩峰の岬である.この岬を廻るルートは,開拓時から斜内山道と呼ばれ,陸路の難所として知られていた.1985年まで旧国道238号線に沿って国鉄興浜北線が通過していたが,現在でも灯台と道路の間に,廃線跡を追跡できる.枝幸山地には,白亜紀付加体とされるイドンナップ帯北端の混在岩相が広域に露出する.特に岬周辺には,未固結の堆積物中に注入した厚層の現地性緑色岩が観察され,海嶺玄武岩起源と推定されている.この緑色岩は堅牢で波食に強いため,現在も岬をなしているのであろう.
(写真・文:七山 太 産総研地質情報基盤センター/
ふじのくに地球環境史ミュージアム)
目次
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頁 | タイトル / 著者 | |
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表紙・目次・裏表紙 | 北見神威岬に露出するイドンナップ帯北端の現地性緑色岩 / 七山 太 | 4.7MB |
口絵 | ||
p.89-90 | 国会議事堂に使用された岡山県新見市産大理石石材「黒柿」:マイクロコディウム組織を持つ石灰岩 / 中澤 努・上野勝美・西本昌司・乾 睦子 | 2.9MB |
p.91-94 | リュウグウの岩石試料が始原的な隕石より黒いわけ ―隕石は大気と反応し「上書き保存」されて明るく変化した― / 天野香菜・中村智樹・松岡 萌・橘 省吾 | 1.7MB |
p.95-100 | 海洋保護区安永海山の岩場で新種のウミエラ類を発見 ―北西太平洋から初報告― / 櫛田優花・喜瀬浩輝・井口 亮・藤原義弘・土田真二 | 2.1MB |
p.101-117 | 湘南海岸の景勝地“ 江の島” で学ぶ相模トラフ変動帯の地形・地質と自然災害 ―“ 江の島” ジオ散歩のススメ― / 七山 太・重野聖之・石井正之 | 4.5MB |
p.118-119 | 新刊紹介「御料局測量課長 神足勝記日記 ―林野地籍の礎を築く―」 | 420KB |