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地質調査研究報告 Vol.67 No.6 (2016)
表紙
甲岳台から望む十和田湖
青森県・秋田県の県境に位置する十和田湖は,十和田火山の火山活動により形成されたカルデラ湖である.カルデラの大きさは直径約11kmに及ぶ.十和田火山の活動史は,先カルデラ期(55 ka 以前),カルデラ形成期(55-15.5 ka),後カルデラ期(15.5 ka -現在)の3つの活動期に区分される.十和田湖の外形はカルデラ形成期の噴火で形成された.後カルデラ期には,カルデラ中央部に小規模な成層火山体が形成され,その後,その頂部に直径2kmの小カルデラが形成された.両カルデラは湖水で満たされ,二重カルデラの地形を示す.
(写真・文:工藤 崇)
目次
全ページ PDF : 67_06_full.pdf [22MB]
タイトル | 著者 | |
---|---|---|
論文 | ||
長期連続観測にもとづく会津盆地における地下水位及び地下水温変動の特徴 | 金子翔平・柴崎直明・庄司美由・ 内田洋平 | 67_06_01.pdf [8.1MB] |
概報 | ||
十和田火山,先カルデラ期溶岩のK-Ar年代 | 工藤 崇 | 67_06_02.pdf [2.7MB] |
要旨集
長期連続観測にもとづく会津盆地における地下水位及び地下水温変動の特徴
金子翔平・柴崎直明・庄司美由・内田洋平
福島県会津盆地における16地点において,地下水位及び地下水温の連続観測を行った.市街地付近での冬季の消雪用井戸の稼働によって低下した地下水位は,夏季に向かい回復するが,深層においては必ずしも前年の地下水位まで回復しない地点もある.このような地点では水収支がマイナスになっていると推察される.深井戸での地下水温は,年々低下する地点がみられた.この理由は冬季に深井戸の地下水位が低下したことにより浅層部の地下水を下方へ引き込んでいるためと推定される.地 下水温は熱伝導の影響だけではなく,揚水により誘発された地下水流動の影響も受けている可能性が考えられる.
十和田火山,先カルデラ期溶岩のK-Ar年代
工藤 崇
十和田火山先カルデラ期のより詳細な噴火史編年を目的として,給源近傍に分布する溶岩を対象に,K–Ar年代測定を行った.その結果,御鼻部山溶岩より0.26 ± 0.07及び0.13 ±0.06 Ma,発荷溶岩・火砕物より0.09± 0.06及び0.09 ±0.06 Maの年代が得られた.得られたK–Ar年代は,比較的誤差が大きいものの,いずれも層序と矛盾しない.給源遠方の上北平野におけるテフラ層序からは,十和田火山の主要な活動は約0.22 Ma以降に開始したと推定される.今回,給源付近の溶岩から得られたK–Ar年代は,上記の活動開始時期とは矛盾しない.
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