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地質調査研究報告 Vol.63 No.5/6 (2012)
表紙
石狩低地の沖積層基底面深度分布図
石狩低地の地下では、日本国内でも有数の規模で沖積層が発達している。国・北海道など自治体・民間企業の所有する地盤ボーリング調査結果をデータベース化し、孔口深度や土質区分を再検証したうえで、沖積層基底深度分布図を作成した。
図の沖積層基底面深度分布に基づくと、最終氷期末期の石狩川は、石狩丘陵の南縁に沿って流れていたようである。札幌市付近では豊平川・発寒川が形成した埋没扇状地が明瞭に現れている。さらに札幌市北部の地下には南北に延びる3列の高まりが現れた。これらは月寒背斜・茨戸背斜・西札幌背斜などの伏在背斜にそれぞれ対応した位置にある。
(図・文:廣瀬 亘・川上 源太郎・大津 直・木村克己)
目次
全ページ PDF : 63_05_full.pdf [26.5MB]
タイトル | 著者 | |
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論文 | ||
北海道石狩平野,石狩市親船地区で掘削された沖積層ボーリングコア (GS-HIS-1) の層序学的及び堆積学的解析 | 川上源太郎・船引彩子・嵯峨山 積・中島 礼・仁科健二・廣瀬 亘・大津 直・磯前陽介・木村克己 | 63_05_01.pdf [21.5MB] |
資料・解説 | ||
珪藻化石と岩相に基づく関東平野中央部で掘削されたボーリングコアの海成層準の認定 | 納谷友規・八戸昭一・松島紘子・水野清秀 | 63_05_02.pdf [5.4MB] |
要旨集
北海道石狩平野,石狩市親船地区で掘削された沖積層ボーリングコア (GS-HIS-1) の層序学的及び堆積学的解析
川上源太郎・船引彩子・嵯峨山 積・中島 礼・仁科健二・廣瀬 亘・大津 直・
磯前陽介・木村克己
北海道石狩平野の石狩市親船地区において、沖積層の層序と堆積環境を検討した。ボーリングコアGS-HIS-1の掘削地点は現在の海岸平野に位置し、最終氷期の古石狩川の谷筋にあたる。堆積相、珪藻化石並びに貝化石から、沖積層は下位より礫質河川堆積物 (ユニット2、深度68.5-56.1 m)、蛇行河川~河川の感潮域及び塩水湿地の堆積物 (ユニット3、深度56.1-24.0 m)、内湾の堆積物 (ユニット4、深度24.0-20.6 m)、外浜~海浜の堆積物 (ユニット6、深度20.6-11.0 m及びユニット8、深度7.7-0.4 m) とそれに挟在する淡水成の泥質堆積物 (ユニット7、深度11.0-7.7 m) からなると解釈された。沖積層の下位には上部更新統の氾濫原堆積物 (ユニット1) が確認された。より内陸部において、内湾堆積物の上位に見られるデルタプレーンの堆積物 (川上ほか、2012a;bのユニット5) は親船地区では認められず、ユニット4とユニット6の間の侵食性の境界は海進ラビンメント面と考えられる。ラビンメント面を覆うユニット6~ユニット8は、縄文海進高頂期以降に海側に成長した浅海の砂体である。この砂体に挟在する淡水成の泥質堆積物 (ユニット7) は、海岸線に平行に偏向するラグーン状の河道に堆積し、砂体の海側への急速な成長に伴って埋積・保存されたと推定される。堆積曲線によれば、海進に伴い礫質河川から蛇行河川環境へ転換するのは13,000 cal BP頃、河川が海水の影響を受け始めるのが10,600 cal BP頃、内湾環境に転換するのは8,900 cal BP頃である。また下部外浜の砂層が海進ラビンメント面を介して内湾泥層を覆いはじめたのは5,300 cal BP頃である。
珪藻化石と岩相に基づく関東平野中央部で掘削されたボーリングコアの海成層準の認定
納谷友規・八戸昭一・松島紘子・水野清秀
関東平野中央部の標準地下地質層序を構築するための基礎資料として、埼玉県内で掘削された7本の既存ボーリングコアにおける海成層準を、岩相と海生珪藻化石の産出から明らかにした。所沢コアでは15層準 (TZ-M1〜TZ-M15)、鷲宮コアでは6層準 (WM-M1〜WM-M6)、行田コアでは3層準 (GD-M1〜GD-M3)、越谷東コアでは12層準 (KGH-M1〜KGH-M12)、川島コアでは14層準 (KJ-M1〜KJ-M14)、春日部コアでは18層準 (KK-M1〜KK-M18)、深作A-1コアでは8層準 (FS-M1〜FS-M8) の海成層をそれぞれ認定した。各海成層準には上位より通し番号を割り振り地下地質層序構築の基礎資料を提供した。
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