活断層・古地震研究報告 第18号 トップへ
表紙(写真)・裏表紙(写真)解説
表 紙
熊本地震によって阿蘇カルデラ内に出現した地震断層におけるトレンチ調査
2016年熊本地震直後の調査により,熊本県阿蘇郡南阿蘇村の濁川左岸約3 kmに渡って,東西走向の地表地震断層が確認された.地溝状の地形内に東西走向の2条の地表地震断層が現れた地点において,それらを横切るようにトレンチを掘削した.その結果,壁面には地表の変形と調和的に地溝中央部(写真手前側)に向かって傾斜する地層と,それらを切断し,地表地震断層へとつながる複数の正断層が認められた.詳細は白濱ほか(161-212ページ)を参照されたい.
裏表紙
西南北海道,勇払平野沖での石狩低地東縁断層帯におけるバイブロコア調査(撮影:内田康人)
「内陸及び沿岸海域の活断層調査」の一環として,石狩低地東縁断層帯南部の海域延長部において海底活断層調査を実施した.本断層帯は東傾斜の伏在逆断層と断層関連褶曲からなる.断層の活動性を明らかにする目的で,海底の堆積物コア試料を採取するためにバイブロコアラーによる底質採取調査を実施した.写真(上)は調査船のクレーンにバイブロコアラーを吊り下げて海中に投入する様子.写真(下)は調査船の甲板上においたバイブロコアラー.バイブロコアラーは,海底面に着底の後にコアヘッドを振動させることによって,サンプラーを海底面下に貫通させて最大6 m の試料を採取することができる.詳細は内田ほか(1-36ページ)を参照.