活断層・古地震研究報告 第3号 トップへ
2000年鳥取県西部地震の震源域における地質構造解析
小林健太・相澤泰隆・梅津健吾・小山敦子・山本 亮
2000年鳥取県西部地震の震源断層直上とその周囲とで、地質構造の比較を行った。前者の特に震央周辺域では、より高密度でガウジ帯が形成され、幅の広いものを伴う (第1図)。また、無彩色・還元色のガウジ帯がより卓越する。さらに、面状カタクレーサイトが震源断層直上に限って認められた (第1図、第2図)。以上から、震源断層の位置では周囲に比べ、より古い地質時代から、より活発な断層活動が生じていると結論される。
第1図
第1図. 断層岩 (断層ガウジ・カタクレーサイト) の分布、密度、幅。
Fig. 1. Distribution, density and width of the fault rocks (fault gouges and cataclasites).
第2図
第2図. (a) 西伯町緑水園で観察される面状カタクレーサイト (枠内)。(b) 研磨片写真。(c) 薄片写真。
Fig. 2. (a) Foliated cataclasite zone at Ryokusui-en (box). (b) Photograph of the polished rock slice. (c) Optical photomicrograph of the thin section.