活断層・古地震研究報告 第3号 トップへ
2000年鳥取県西部地震に伴う地殻変動の測地測量調査
伏島祐一郎・関口春子・粟田泰夫・杉山雄一
2000年鳥取県西部地震に伴って出現した地震断層を含む範囲 (第1図) に、高密度に設置されていた基準点を改めて測量することによって、地震時および地震後の地殻変動を、高精度に検出することができた。地殻変動は、地震断層を含む帯のなかで分散して生じ、帯の両側がそれぞれ一団となって変動した (第2図・第3図)。地震時水平変動量の総計は70 cm、上下変動量の総計は35±10 cmであり、水平変動量は、地震断層に沿って計測された横ずれ量の3倍に迫る。これらの結果は、地震断層が幅を持つ断層帯として出現した事を示している。
第1図
第1図. 調査地域の概要。
国土地理院発行200,000分の1地勢図「松江および高梁」を使用。
Fig. 1. Locality map of the study area.
第2図
第2図. 緑水湖周辺の水平変動。背景に鳥取県賀祥ダム貯水池平面図を使用。
Fig. 2. Horizontal crustal movements around Lake Ryokusui.
第3図
第3図. 緑水湖周辺の上下変動。背景に鳥取県賀祥ダム貯水池平面図を使用。
Fig. 3. Vertical crustal movements around Lake Ryokusui.