活断層・古地震研究報告 第3号 トップへ
浅層反射法地震探査とボーリングによる邑知潟断層帯南縁部の地下地質構造調査
水野清秀・下川浩一・吾妻 崇・杉山雄一・片川秀基・柴田俊治・吉田 進・浜田昌明
邑知潟断層帯石動山断層近傍の地下地質構造を明らかにする目的で、石川県羽咋市本江地区において、S波を用いた反射法地震探査と深度100mの層序ボーリング調査を行った。またP波探査結果の再解析を行った。反射法探査によると、平野と丘陵の境界付近で山側に30°程度傾斜する複数の反射面が確認され、それらの少なくとも一部は断層と推定された。平野部の標高約5mで掘削したボーリングコアは、礫層や薄いシルト層を挟む砂層が主体で、淡水成の堆積物と考えられる。姶良-Tn火山灰や阿蘇4火山灰などか挟まれていて、また花粉分析に基づく寒暖の繰り返しから、コア最下部の年代は約40万年前と推定された。既存のボーリング資料などを参考にすると、第四系基底の深度は平野側で標高-130〜-150m付近の反射波パターンの急変部にあたると推定され、丘陵側ではその深度は100m程度以上浅くなると思われる。
第1図
第1図. GS-OC-1コアの木本花粉組成図。サンプル番号及び採取層準は 第3図 参照。
Fig. 1. Arboreal pollen diagram of GS-OC-1 core. Sampling numbers and horizons are given in Fig. 3.
第2図
第2図. (A) : B測線の再解析深度断面、
(B) : B測線の解釈断面。
Fig. 2. (A): Reprocessed depth-converted seismic reflection profile for the line B,
(B): Interpreted depth-converted profile for the line B.
第3図
第3図. GS-OC-1コアの地質柱状図。
Fig. 3. Geological columnar sections of GS-OC-1 core.