活断層・古地震研究報告  第2号 トップへ

富山平野の北西縁で検出された地震の痕跡

寒川  旭・越前慎子・町田賢一

富山県文化振興財団が実施した、富山平野北西縁の沖積低地に位置する手洗野赤浦遺跡と岩坪岡田島遺跡の発掘調査において、1858年の飛越地震に伴う液状化現象の痕跡が多く認められた。いずれも、概ね山麓線に沿う方向に発達した砂脈 (最大幅1m) に沿って、当時の地表面下1〜3mの深さから噴砂が流れ出したものである。岩坪岡田島遺跡においては、1586年の天正地震による可能性が高い、地割れや、地層の擾乱した痕跡も検出された。


第1図

第1図. 手洗野赤浦遺跡と岩坪岡田島遺跡の位置図。国土地理院発行2.5万分の1地形図「飯久保」を使用。T : 手洗野赤浦遺跡、I : 岩坪岡田島遺跡。両遺跡は富山県高岡市内に位置する。

Fig. 1. Location map of the study area. I: Iwatsubo-Okadajima site, T: Taraino-Akaura site. Both sites are situated in Takaoka City, Toyama Prefecture.


第2図

第2図. 手洗野赤浦遺跡における液状化跡の断面図。断面図の位置は 第3図 参照。番号を付けた は粒度分析試料の採取位置を示す。ドットの大きさは砂粒の大きさを表現。

Fig. 2. Cross section of a liquefaction trace in the Taraino-Akaura site. See Fig. 3 for the location of this section. Numbered solid squares show the points where liquefied sands and gravels were sampled for grain size analysis.


第3図