活断層・古地震研究報告  第2号 トップへ

揖斐川断層の活動履歴調査

吉岡敏和・粟田泰夫・佐々木俊法・田中竹延・柳田  誠

岐阜県美濃地方を北西－東方向に延びる揖斐川断層について、同県藤橋村 （旧徳山村塚地区） においてトレンチ調査を実施した。断層はすべてのトレンチ壁面に明瞭に露出した （第1図、第2図）。堆積物の年代測定の結果、断層の最新活動は約2000年前以降、約1000年前以前にあったと推定される。さらにBC 5550ないしBC 780の年代を示す土壌の堆積中に１回前の活動があった可能性がある。変位量については、完新世と推定される段丘堆積物の基底形成以降で左横ずれ6.5m程度と見積もられるが （第3図）、これが複数回の活動によるものか否かは明確にできなかった。

第１図

第1図. Aトレンチ北西部のスケッチ。
Fig. 1. Log of the northwestern part of the trench A.

第２図

第2図. Cトレンチ両壁面のスケッチ。
Fig. 2. Logs of the NW and SE walls of the trench C.

第３図

第3図. Aトレンチの平面図。
Fig. 3. Plan view of the trench A.