活断層・古地震研究報告  第1号 トップへ

上町断層 (大阪府)

   地調活断層研究グループ (2000) は、上町断層系南部の住之江撓曲の活動履歴調査の結果から、上町断層系全体の地震発生可能性の評価を行った。しかし、より精度の高い評価を行うためには、断層系の他の地点でも活動履歴データを取得する必要がある。このため、新淀川北岸において上町断層のS波反射法地震探査を行った (第1図)。その結果、この付近の上町断層が完新世に活動した可能性を示唆する結果が得られた (第2図第3図第4図)。上町断層系については、これまで完新世の活動を示すデータは得られていない。新淀川付近の上町断層が完新世に活動したとすると、同断層系は活動履歴の異なる複数のセグメントからなる可能性が高くなり、地震危険度評価を見直す必要がある。このような問題点を明確にするため、13年度に今回の地震探査測線に沿ってボーリング調査を行う。

文献


第1図

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調査地域位置図


第2図

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マイグレーション後時間断面


第3図

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深度変換断面.鉛直誇張:2倍


第4図

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深度変換断面(鉛直誇張:7倍)と既存ボーリングデータの対比