活断層・古地震研究報告  第1号 トップへ

トルコ・北アナトリア断層

   1999年に発生したイズミット地震及びデュズジェ地震の地震断層 (第1図第2図第3図) のセグメント構造の解明を目的として、トルコ鉱物資源調査庁と共同で、現地踏査、ジオスライサー、ボーリング及びトレンチ調査を実施した (第4図)。その結果、イズミット地震断層の東端部では3回の活動が識別され、13年度にこれらの活動の時期を特定するための年代測定を行っている。デュズジェ地震断層については、過去2千年間の平均的な活動間隔が400〜500年と見積もられ、1つ前の活動は1650年以降に起きた可能性が高いことが分かった (第5図)。また、震源過程との対照から、セグメント境界の性質 (伸張性か・圧縮性か、屈曲の程度など) が断層破壊の停止・伝播に深く係わっていることが分かった (第6図第1表)。

文献


第1図

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北アナトリア断層帯北西部における1999年Izmit地震断層と1944年以降の地震断層


第2図

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1999年Izmit地震に伴う地震断層の変位量分布


第3図

デュズジェ盆地周辺の衛星画像と調査地点周辺の地形学図


第4図

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ジオスライサー試料の写真とスケッチ


第5図

ジオスライサーNo5の時間-震度ダイアグラムと傾斜不整合から推定される断層イベントの時期


第6図

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1999年Izmit地震に伴う地震断層のセグメント構造とジョグの分布


第1表

1999年イズミット地震に伴う地震断層のジョグの特徴