活断層・古地震研究報告  第1号 トップへ

遺跡で検出された地震痕跡による古地震研究

   1980年代の後半から、遺跡の発掘現場で地震の痕跡を調べる「地震考古学」が普及し始めた。その結果、プレート境界の巨大地震の発生間隔や内陸活断層の最新活動時期について、全く新しい重要な情報が得られている (第1図第2図)。また、砂礫層の液状化跡、噴砂の流出と地層の変形跡、側方流動の跡など (写真1) は、地盤災害を軽減する方策を考える上で貴重なヒントを与えてくれる。

文献


第1図

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南海地震と東海地震の発生時期


第2図

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大阪平野周辺の活断層の分布と地震跡を検出した遺跡


写真 : 地震の痕跡
a : 滋賀県中主町の八夫遺跡で検出された液状化跡。最大径10cmの礫を含む砂礫層が液状化している。 b : 西鴻池遺跡の液状化跡。 c : 西三荘・八雲東遺跡の液状化跡。 d : 久宝寺遺跡の液状化跡。
e : 内里八丁遺跡の液状化跡 (遠景)。 f : 内里八丁遺跡の液状化跡 (近景)。 g : 住吉宮町遺跡に見られる井戸枠の変形跡。 h : 六条遺跡に見られる遺構の変形跡。