活断層・古地震研究報告 第1号 トップへ
房総半島の完新世地殻変動の研究
房総半島に分布する完新世の最高位旧汀線高度を測定し (第1図)、1703年の元禄関東地震及び1923年の大正関東地震に伴う地殻上下変動 (第2図) と比較した。その結果、半島西岸の旧汀線高度は元禄型地震と大正型地震による地殻変動の累積で説明できるが、半島南端では地震間の沈降が大きく働いていることが推察された。一方、半島東岸では、これらの地震による上下変動以外に、別の隆起運動が加わっていることが分かった (第3図)。この隆起運動についてはまだ不明な点が多く、その実体解明は今後の課題である。