活断層・古地震研究報告 第1号 トップへ
アメリカ北西部カスケーディアにおける液状化跡調査
カスケード沈み込み帯では、過去3500年間に7回のプレート間巨大地震が発生し、最新の地震は西暦1700年1月26日に発生したことが日本の歴史文書の津波記録から明らかにされている (Satake et al., 1996 ; 第1図)。また、スラブ内地震やシアトル断層の活動による古地震の存在も指摘されている。しかし、地震動そのものの証拠となる液状化の痕跡は殆ど知られていない。このため、コロンビア川の河口付近などでジオスライサー調査を行い、地震による液状化の痕跡を調査した (第2図、写真1、2)。その結果、液状化の痕跡は、貫入構造やラミナの波状変形として地下約7mまで認められ、これまで考えられていたよりも深い地点にまでその供給源が推定された (写真3、第3図)。今後、液状化の発生年代を明らかにする必要がある。また、液状化痕跡の空間的分布やS波速度・N値等、液状化発生に関係するとされている地盤情報と照らしあわせ、1700年地震による強震動分布、地震規模を推定することが課題である。
第1図
第2図
写真1、2
写真3