平成11年度活断層調査 トップへ
台湾・車籠埔断層
1999年9月22日に台湾で発生した集集地震に伴い、総延長約80kmの地震断層が出現した。地質調査所は、台湾中央地質調査所と共同で、地震断層の3次元変位ベクトルの計測を実施した。その結果、断層上盤側の水平変位ベクトルは、地震断層南部から北へ向かって、時計回りに回転していることが明らかになった (第8図、第1表)。この結果はGPSによる水平変位の計測結果と整合し、地震断層が基本的に左横ずれ成分を伴う逆断層であることを示している。変位量は概して北部で大きく、震央に近接する南投市付近で小さいことが分かった。この結果は、地震学的データから求められた震源過程と良い一致を示し、南投市付近が地震断層のセグメント境界に当たる可能性を示唆する。
第8図
拡大する
第8図 集集地震に伴う地震断層上盤側の変位分布 (吾妻ほか、2000)。
地震断層のトレースは経済部中央地質調査所 (1999) による。
第1表
拡大する
第1表 集集地震に伴う地震断層の変位パラメーター (吾妻ほか、2000)。