平成11年度活断層調査 トップへ
大阪湾断層及び和田岬断層 (兵庫県)
音波探査の結果 (第5図) 並びに海上保安庁水路部が平成7年度に採取したボーリング試料の詳細解析結果から、大阪湾断層は完新世に2回活動したと判断され、その時期は約900〜1200年前と約8500〜9500年前と見積もられた (第6図)。これより、最近2回の大阪湾断層の活動の間隔はおおよそ7300〜8600年、最新活動後の経過時間は約900〜1200年と推定される。また、1回の活動による上下変位量は約2〜4mと見積もられる。上記の最近2回の断層活動の間隔と1回の活動に伴う上下変位量によると、神戸沖の大阪湾断層の完新世における平均上下変位速度は、0.2〜0.5m/千年程度となる。一方、和田岬断層は、音波探査及びボーリングコアの解析結果から、鬼界アカホヤ火山灰降下直後 (約6000〜7300年前) に活動を行ったと考えられる。但し、今回の反射記録の浅層部は、ノイズによって大部分マスクされているため、この活動が和田岬断層の最新活動に当たるか否かについては、今後さらに詳しい検討が必要である。
第5図
第5図 大阪湾断層を横断するH-1測線の音波探査記録 (七山ほか、2000)。
反射面A0とA、及び反射面DとEの間に断層活動が推定される。
第6図
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第6図 海上保安庁水路部のOB-2コアの堆積速度曲線と大阪湾断層の活動時期 (七山ほか、2000)。