平成10年度活断層調査 トップへ
三峠断層系
京都府中部の丹波高地に分布する三峠断層と殿田断層西部について、地形地質調査やトレンチ調査を行いました。トレンチ調査は、三峠断層上の1地点 (瑞穂町質美) と殿田断層上の2地点 (日吉町志和賀八栄と同東組) で実施しました。その結果、質美と東組のトレンチで、基盤岩の断層破砕帯とそれを覆う新期の礫層が確認されました (第3図)。礫層に含まれる腐植物などの 14C 年代から、三峠断層では少なくとも約1,700年前以降、殿田断層西部では少なくとも約3,000年前以降、顕著な断層活動がなかったことが明らかになりました。なお、殿田断層については、東組トレンチの約5km東 (日吉町世木林せぎばやし) で、水資源開発公団によるトレンチ調査が行われ、紀元前385年〜西暦85年間に最新活動が生じたとされています (植村、1997)。これら2つのトレンチ地点間の最新活動時期の違いについて、今後さらに詳しく検討する必要があります。
第3図
第3図 殿田断層東組トレンチの西側壁面スケッチ。
網掛け部は基盤岩の破砕帯。グリッドは壁面上での1mを示す。