地層の分類
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地層の分類
地層や岩石は自然の産物であるため、変化に富んでいます。地質図に表すためには、この多様な地層や岩石を分類する必要があります。
地層の分類
ある地域に同じ種類の岩石が連続して分布している場合、これを識別するために「○○累層」あるいは単に「○○層」と呼びます (○○は地名)。「層」は幾つかまとめて「亜層群」、「層群」、「超層群」と呼ぶことができ、場合によっては「部層」、「単層」などに細分することができます。「○○層」は実際に1種類の地層からなる場合もありますが、「砂岩と泥岩が繰り返し重なっている地層」のように、複数の地層を組み合わせた場合もあります。
上の図は地層区分の一例です。地層のできた年代を知ることによって、重なり合う地層が連続してできている場合と、重なり合ってはいても地層の間に時間間隙がある場合があります。連続している場合を 整合、時間間隙が認められる場合を不整合と呼びます。不整合 の場合には、上の図の E層のように、下にある地層を削って堆積していたり、分布の特徴が異なっていることがあります。不整合の原因には、海水準変動、地盤の隆起、断層の活動など地域的・世界的な現象が影響していることが考えられます。
地層の区分
地層の特徴を表す基準は、色や硬さ、密度、形成された年代、粒子や結晶の種類やサイズ、模様や組織などさまざまです。これらの地層の特徴のうち、岩石の性質に基づくものを 岩相 (がんそう) といいます。一般に地質図は、地層を岩相と年代に基づいて区分し、描かれています。
岩相の変化は、明瞭ですぐわかることもありますが、少しずつ変化していくこともあります。下の図は岩相の変化の例ですが、漸移的な場合、同じ地層を見たとしても何通りかの区分があることがわかります。
岩相を区分する基準は、地質図の制作者の考え方次第なので、場合によっては同じ地域の地質図でも制作者によって違う地層の分け方をしていることがあります。したがって、地質図ではどのような基準で地層を区分したのかを示す「凡例 (はんれい)」という表が必ず付属しています。
岩相に基づく区分と年代に基づく区分が一致しないこともあります。右図の例では、黄色い地層は同じ地質時代の地層と区分されますが、岩相の基準となる構成粒子は砂、泥、砂と泥などさまざまです。このような場合、地質図では岩相を優先させることが普通です。図の場合では、同じ時代に4種類の地層が形成されています。
ただし、似たような地層が連続していても、不整合がある場合や年代が明らかに異なっている場合は、そこを地層境界とします。このような地層境界は、目で見ただけではわかりにくいことが多いため、地質調査は大変です。