2000-2001年作成の新作地質図
5万分の1地質図幅「龍野」
山元孝弘・栗本史雄
龍野地域は兵庫県南西部を占め,地質構造区分上,西南日本内帯に位置します.
堆積岩類を主とし,一部にハンレイ岩を伴うペルム?ジュラ系,これを不整合で覆う後期白亜紀のカルデラ火山噴出物,及びこれらを貫く後期白亜紀?古第三紀の貫入岩が広く分布し,河川沿いには第四系が分布しています.
ペルム〜ジュラ系は,上月?龍野帯に属する龍野層群,平木層,夜久野コンプレックス,超丹波帯の山崎層及び丹波帯の南山コンプレックスから構成されますが,模式地の龍野層群は,その一部が超丹波帯山崎層であることが判明しました.
後期白亜紀の火山岩は9個のカルデラ火山群を構成し,それぞれが不整合関係で区分されることが明らかになりました.これらのカルデラは径15km以下で,新旧のものが重複するため一部が失われたり,南北圧縮による右横ずれ断層の変形を受けています.
山崎断層系の安富断層と暮坂峠断層が本地域北西端から西北西〜東南西の方向に分布し,いずれも左横ずれの活断層です.