北海道の札幌-岩内地域をモデルフィールドとして，これまで単体として扱われてきた熱水鉱床と，鉱化作用に関連した火成作用を時代ごとに関連させた図面です．

変質帯も酸性変質帯と中性変質帯に区分され，熱水活動の時空分布を把握できます．

この地域では中新世中期の背弧側の流紋岩海底火山活動に伴い黒鉱鉱床，中新世後期?鮮新世の安山岩火山活動に伴い銅・鉛・亜鉛・マンガン鉱床が形成しています．また鮮新世?更新世に主として火山フロント付近で安山岩-デイサイトの貫入に伴い金・銀鉱床が形成していることが読み取れます．

この地域では規模の大きな鉱床はいずれも鮮新世のマグマ-熱水系に伴われており，鉱床探査の対象は鮮新世の火山体に伴う変質体に限られる．