地質情報のデータカタログの正式公開
―地質情報を一元的に管理・提供し、DX時代のデータ活用を加速する―

ポイント

  • 1400件以上の地球科学図データが掲載された地質情報のデータカタログを公開
  • 二次利用可能な地質データを見つけやすく提供することで、幅広い分野でのデータ活用を促進
  • 国内外で使用実績の多いデータカタログ基盤を採用することで、機関間のデータ連携を加速


図:左)トップページ、中)データセットのリスト表示、右)データセット内のリソース表示

図:左)トップページ、中)データセットのリスト表示、右)データセット内のリソース表示

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所地質調査総合センター(GSJ)は、防災、研究、教育など多岐にわたる分野でのデータ利活用を促進することを目的として地質情報を一元的に管理・提供する「地質調査総合センターデータカタログ」を公開しました。本データカタログでは、これまでに公開された地質情報のうち、まず1400件以上の地球科学図データが利用可能となっています。
 地震や火山活動、土砂災害が頻発する日本では、防災対策などへの地質情報の活用は極めて重要です。しかし、これまでGSJが公開してきた地質情報はウェブサイト内に分散しており、利用者が必要なデータを迅速に見つけることが難しい状況にありました。この問題を解決するため、GSJは地質情報の管理と発信の一元化を進め、効率的にデータを検索・利用できるデータカタログを整備しました。
 本データカタログは、国内外の多くの機関で実績のあるデータカタログプラットフォーム「CKAN」を基に、地理空間情報を効率的に管理・公開するための機能を追加した「空間IT基盤GKAN」を使用し構築されました。利用者はキーワードやタグを使った効率的なデータ検索、プレビュー機能によるデータ概要の確認、そしてGISで利用可能な形式などでのデータ取得が可能です。また、APIを活用したデータ検索・取得もサポートしており、開発者が地質情報を活用した新しいアプリケーションやサービスを開発することも期待されます。
 今後は、地球科学図データに加え、地球科学図内に記述された情報の数値データやGSJ研究資料集の数値データなどの登録も進め、データカタログの充実を図っていく予定です。また、他機関のデータカタログとの連携を強化することで、地質情報の利用範囲をさらに広げ、地質学の研究や教育、防災への貢献を一層高めることを目指します。

公開先

「地質調査総合センターデータカタログ」は、GSJのウェブサイト (https://www.gsj.jp/researches/geodb/gkan/)からアクセスできます。

用語解説

データカタログ
データの目録や索引の役割を持ち、データセットに関する情報(メタデータ)を整理し、利用者が必要なデータを効率的に検索・利用できるようにするシステム。[参照元へ戻る]

CKAN(Comprehensive Knowledge Archive Network)
オープンソースのデータカタログプラットフォームで、データセットの管理や公開、メタデータの付加、情報検索機能を提供する。国内外の多くの機関で使用実績があり、データ共有と再利用を促進するための標準的な基盤として広く利用されている。[参照元へ戻る]

GKAN(空間IT基盤GKAN)
朝日航洋株式会社がCKANを基に地理空間情報を効率的に管理・公開するために必要な機能を追加し開発したデータカタログシステム。利用者に対して高度な検索機能とデータ可視化の手段を提供し、地理空間情報の取り扱いに最適化されています。[参照元へ戻る]

API(Application Programming Interface)
ソフトウェア同士がデータや機能をやり取りするためのルールや手順を定めたもの。APIを使用することで、異なるアプリケーションやシステム間でデータの取得や送信ができるようになり、データの利活用に有効。[参照元へ戻る]

2025年 2月28日掲載
地質情報基盤センター