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地質調査研究報告 Vol.70 No.4(2019)
表紙
新第三紀真昼川層からなる薬師岳及びその周辺の山地
角館地域の奥羽脊梁山脈は主に新第三系の真昼川層から構成される.奥羽脊梁山脈中軸部の新第三系 は深い谷をよく形成するが,角館地域でも真昼川層が深く削られて,急峻な谷が形成されている(写真). 真昼川層は変質した火山岩を主体とし,年代指標データがほとんど得られていなかった地層である. 写真中央部の雲の奥には鳥海山が見える.
(写真・文:細井 淳)
目次
全ページ PDF : 70_04_full.pdf [6MB]
タイトル | 著者 | |
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論文 | ||
秋田県角館町東方,奥羽脊梁山脈に分布する真昼川層の年代 | 細井 淳・工藤 崇・岩野英樹・檀原 徹・平田岳史 | 70_04_01.pdf [5.2MB] |
資料・解説 | ||
1946年南海地震前に紀伊半島沿岸部で目撃された井戸水や海水位などの変化 | 梅田康弘・板場智史 | 70_04_02.pdf [651KB] |
要旨集
秋田県角館町東方,奥羽脊梁山脈に分布する真昼川層の年代
細井 淳・工藤 崇・岩野英樹・檀原 徹・平田岳史
秋田県角館町東方の奥羽脊梁山脈には,火山岩を主体とした中新統が広く分布するが,それらから年代指標データはほとんど得られていない.本論では中新統のうち,真昼川層の下部と上部から試料を採取し,同一ジルコンを用いたU–Pb・FTダブル年代測定を行った.その結果,下部からは13.2 ± 0.6 Ma,上部からは13.7 ± 0.3MaのU–Pb年代値が得られた.真昼川層と上位の内沢川層との境界は14 ~ 13 Ma頃である.年代測定結果と真昼川層及び上位の内沢川層の岩相から,両層ともに秋田地域標準層序の西黒沢層に対比されると考えられる.
1946年南海地震前に紀伊半島沿岸部で目撃された井戸水や海水位などの変化
梅田康弘・板場智史
1946年南海地震前に紀伊半島沿岸部で目撃された地下水や海水位の変化,音などの異常現象を収集した.現象の収集は主に文献によったが,住民への聞き取りも行った.本震の2,3日前に井戸水が減少したことや濁ったことが目撃されている.紀伊半島東岸では地震前の地盤沈下が目撃されていたが,この地盤沈下は1944年東南海地震の余効変動が続いていたものと考えられた.振動的な海水位変化も目撃され,津波の可能性が指摘された.音を聞いたり,地震を感じたりした人もいた.
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