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地質調査研究報告 Vol.56 No.1/2 (2005)
表紙
渥美半島は赤石山脈の南西延長上に位置し、太平洋に突き出している隆起地帯である。標高 300 m 未満の山列と標高 100 m 以下の丘陵 - 台地からなる。同半島の北側には中央構造線が走り、半島主要部の基盤岩として秩父帯付加コンプレックスがみられる。20万分の1地質図幅「豊橋及び伊良湖岬」(2004) の一部。
目次
タイトル | 著者 | |
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論文 | ||
On the oxidized and reduced granites found in quarries from Okayama city, Southwest Japan | Shunso Ishihara, Shin-ichi Yoshikura, Shigeo Horikawa, Masatsugu Ogasawara, Itaru Nishio and Shigeru Terashima (1-8) | 56_01_01.pdf [767 KB] |
関東地域の土壌中微量セレンの地球化学的研究 | 寺島 滋・今井 登・太田充恒・岡井貴司・御子柴 (氏家) 真澄 (9-23) | 56_01_02.pdf [655 KB] |
概報 | ||
地熱ガス中の R ガス採取時に使用する試料採取用チューブから発生する炭化水素 | 猪狩俊一郎・前川竜男 (25-29) | 56_01_03.pdf [297 KB] |
資料・解説 | ||
Additional notes on some species of Mantelliceras (Ammonoidea) from central Hokkaido, North Japan (Studies of the Cretaceous ammonites from Hokkaido and Sakhalin-XCVIII) | Tatsuro Matsumoto and Seiichi Toshimitsu (31-36) | 56_01_04.pdf [418 KB] |
渥美半島伊良湖岬地域の秩父帯から産する中・古生代放散虫化石 | 堀 常東 (37-83) | 56_01_05.pdf [4,862 KB] |
講演要旨及びポスター発表概要 | ||
第3回深部地質環境研究センター研究発表会講演要旨及びポスター発表概要 | (85-91) | 56_01_06.pdf [378 KB] |
要旨集
On the oxidized and reduced granites found in quarries from Okayama city, Southwest Japan
Shunso Ishihara, Shin-ichi Yoshikura, Shigeo Horikawa,
Masatsugu Ogasawara, Itaru Nishio and Shigeru Terashima
岡山市内には多数の採石場があり、チタン鉄鉱系のピンク花崗岩を古くから採石している。この度、ボーリング岩芯から磁鉄鉱系に属する花崗岩の共存例が発見されたので、それらの特徴を記載し成因を考察した。これは地下500〜700mで見られ、粗粒チタン鉄鉱系花崗岩中に磁鉄鉱系アプライト質花崗岩が混在するものである。このアプライト質花崗岩は岩床状の産状を示し、ミアロリチック組織や小規模ペグマタイトを伴う。磁鉄鉱は粗粒であるが、他形結晶でミアロル部分に産出する。アプライト質花崗岩の主成分・微量成分は固結末期濃集成分に著しく富んでおり、粗粒花崗岩マグマの分化相と考えられる。粗粒チタン鉄鉱系花崗岩マグマの固結最末期に水に富む少量の残マグマが形成され、その水の O2、H2 への解離と H2 の上方への選択的な拡散によって、酸素フュガシティが上昇し、磁鉄鉱系アプライト質花崗岩が晶出したものと解釈された。また近傍の採石場で粗粒花崗岩の割れ目から見いだされた黄白色の柱状結晶は、化学分析によって砒鉄鉱と同定された。この発見は花崗岩マグマ最末期の熱水活動の硫黄
関東地域の土壌中微量セレンの地球化学的研究
寺島 滋・今井 登・太田充恒・岡井貴司・御子柴 (氏家) 真澄
土壌におけるSeの地球化学的挙動を解明するため、関東地域で採取した20本の柱状試料から得られた247試料を連続水素化物生成 ‐ 原子吸光法で分析した。Se 濃度の平均値は、火山灰質土0.65 ppm (n=176)、褐色森林土0.47 ppm (n=31)、沖積土0.54 ppm (n=40) であり、全体の平均値0.62 ppm は火成岩平均値の約15倍に相当する。土壌、岩石、植物中のSe 濃度、土壌柱状試料におけるSeと有機炭素等濃度の鉛直分布を研究した結果、土壌中の Se は主として生物濃縮で濃集したと考えられた。Se に富む火山灰質土は、最終氷期極相期以降に堆積したもので、気候の温暖化に伴う植生の活性化と堆積後の経過時間が短く腐植の分解やそれに伴う Se の移動・流失が少ないためであろう。沖積土中の Se 濃度は細粒の粘土質土壌で高く、粗粒の砂質土壌で低い。海水に由来する高濃度の硫黄が含有されても Se 濃度は特に高くないが、これは Se (VI) が硫化水素によって沈殿しないためと考えられた。土壌中 Se の地球化学的挙動を支配する要因としては、土壌の産状とその母材、生物濃縮、土層の酸化‐還元状態、続成作用に伴う濃集と移動・流失・逸散等が重要と考えられた。
地熱ガス中の R ガス採取時に使用する試料採取用チューブから発生する炭化水素
猪狩俊一郎・前川竜男
地熱ガス中の R ガス採取の際に用いられる種々のチューブから発生する軽質炭化水素濃度を明らかにする目的で、R ガス採取の室内模擬実験を行った。使用したチューブはバイトンゴムチューブ、シリコンゴムチューブ、あめ色ゴムチューブの三種とした。その結果 120 ℃ で加熱処理したシリコンゴムチューブを用いると軽質炭化水素発生量がもっとも少なかった。また、あめ色ゴムチューブは高濃度のエチレンを発生するため試料採取チューブとしては適当でないことが推定された。
Additional notes on some species of Mantelliceras (Ammonoidea) from central Hokkaido, North Japan (Studies of the Cretaceous ammonites from Hokkaido and Sakhalin-XCVIII)
Tatsuro Matsumoto and Seiichi Toshimitsu
これまで北海道中央部三笠地域の幾春別川流域の白亜系セノマニアン階下部から産出した Mantelliceras japonicum Matsumoto, Muramoto and Takahashi 及び M. cantianum Spath を記載したが、その後これらに加えて、M. cf. mantelli や、それより上位の層準から M. cf. picteti Hyatt 及び M. cf. dixoni Spath を得たのでここに記載する。あわせて、穂別地域産の M. cf. couloni (Orbigny) についても修正を加えて再記載する。
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