重力図-「重力の差」で地下を知る-
2021年 4月13日 開設
地表で測定する重力値の分布は、地下の密度の不均質構造を探るための非常に重要な情報です。地質調査総合センターでは長年にわたり、国内で測定された重力データを集約して、世界最高水準の重力データベースを構築してきました。
重力データベースに収録されたデータは、陸域47万点、海域124万点を超える膨大なものです。日本国内で最大の規模であることはもちろん、国際的にみてもその精度と測点配置の均一性では世界最高水準となっています。このデータベースはDVDやインターネットにより公開され、日本における地球科学の基礎的なデータとして利用されています。
最新の重力データベース
地質調査総合センターの重力図プロジェクトでは、このデータベースを基本として、さらに重力データが比較的少ない地域で重力調査を実施しています。そして、高精度な補正処理等を施し、「重力図」として出版しています。
これまでに出版された20万分の1重力図は、33図幅になります。重力図の編集のために測定された新規測定データは重力データベースにも反映されているため、重力データベースは常に最新のものに更新されています。重力図と重力データベースは、防災のための地下構造解析、資源探査等に基礎的な情報となっているのです。
リンク:
京都・大阪周辺の重力図。断層に沿って大きな重力値の変化が確認できる
山頂における重力データ測定の様子