地熱・地中熱利用-地熱・地中熱の適正利用を目指して-

2021年 4月13日 開設

世界第3位の資源量を生かすために

 日本は世界有数の火山国で、世界第3位の天然熱水系地熱資源を有するとされています。再生可能エネルギー研究センター地熱チームは、将来的な地熱発電量の飛躍的増大を目指し、一連の研究開発を進めています。現在の活動の主軸は、「超臨界地熱発電技術の開発」、「地熱開発のリスクとコスト削減のための,超解像貯留層モニタリング技術の開発」、「工学的な貯留層造成・能力改善技術の開発」、「AI-IoTシステムによる温泉モニタリング技術の開発」、および「地熱資源の高度データベース化」です。そのほか、地域に応じた地熱利用システム設計を実現するための研究等を行っています。

地下熱物性調査手法の開発-地中熱システムの普及を目指して-

 地中熱は、地上と浅い地中(深さ50m~100m)との温度差を利用するため、ほぼ全国どこでも利用できます。地中熱チームは、この省エネシステムの普及を目指した研究を行っています。
 地中熱システムの普及には、各地域の地質・地下水環境の状況に適したシステム設計が重要です。そのため現在は、福島県の地中熱利用事業組合との共同研究で、システム設計に必要な地盤の熱物性(見かけ熱伝導率)を評価する新方式熱応答試験の実証実験を行っています。また、実証実験の結果を用いて、福島県内の見かけ熱伝導率分布図の作成・整備を進めています。将来的な日本全国への普及を目的に,本熱応答試験を標準化することも予定しています。

アイスランドでの地熱発電と温泉の共生事例

アイスランドでの地熱発電と温泉の共生事例

地中熱利用システムの性能予測試験

地中熱利用システムの性能予測試験

海洋地殻の沈み込みに起源を有する超臨界地熱システムの概念図。将来的には、本システムを用いることで、地熱発電量が飛躍的に増大する可能性がある

海洋地殻の沈み込みに起源を有する超臨界地熱システムの概念図。
将来的には、本システムを用いることで、地熱発電量が飛躍的に増大する可能性がある