メタン生成・消費 微生物研究-資源を生み 環境を守る-

2021年 4月13日 開設

天然ガス資源の成因を解明し、効率的に開発する

 私たちは、微生物起源と考えられているメタンハイドレートや水溶性天然ガス鉱床の成因を解明するために、地下水や堆積物の地化学分析、培養実験、遺伝子解析を行って、温度や水質などの環境因子が地下微生物の種類やメタン生成活性に与える影響を調べています。
 また、地下微生物の能力を利用して、枯渇油田の残留原油や深部未利用石炭を原位置で効率良くメタンに変換し、天然ガスとして回収する新たなエネルギー増進回収技術の開発に挑戦しています。

温室効果ガスを抑制し、地圏の環境も守る

 地下微生物はメタンを生成するだけでなく、メタンを消費する能力も持っています。私たちは、海陸地下圏に生息するメタン消費微生物の研究を進め、どのようなメカニズムでメタンを消費するのかを調べています。得られた結果は、地下から大気へ放出されるメタンが地球環境に与える影響を予測するために必要となります。このように地下微生物を研究することで、天然ガスなどの地圏資源の開発や地圏環境の保全を行う事が可能なのです。

左図:R O Vによる海底堆積物のサンプリング。右図:環境試料から分離されたメタン生成古細菌(上)、細菌(下)

左図:R O Vによる海底堆積物のサンプリング
右図:環境試料から分離されたメタン生成古細菌(上)、細菌(下)