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防府市における土石流災害 (2009年7月21日) について
平成21年7月22日
研究情報
産総研地質調査総合センターでは、今回土石流災害の発生した地域を含む20万分の1地質図幅「山口及び見島」を2007年に発行している。
山口県防府市下右田の国道262号 (地点A) から同市真尾 (地点B) にかけて、大雨による斜面崩壊と土石流による被害が発生した。現場付近は防 府花崗岩と呼ばれる後期白亜紀の花崗岩〜花崗閃緑岩でできている。周囲の岩石 (周防変成岩類、周南層群の火山岩類) は、防府花崗岩によって焼かれ (接触変成作用を受け) て硬く風化されにくくなっているのに対し、防府花崗岩は著しく風化され、地表付近では真砂 (まさ) と呼ばれる土砂に近いもろい性質に変わっている。
このため真砂化した防府花崗岩の分布する地域では、大雨によって急な斜面での斜面崩壊や、谷底の花崗岩起源の土砂の流出によって土石流になる危険性がある。今回の土石流は、風化が著しく進んだ花崗岩分布地域に特徴的な土石流であると推定される。
A: 防府市下右田の国道262線沿いの被災地点。東からの川沿いに土石流が来たと推定される
B: 特別養護老人ホームが被災した地点 (防府市真尾)。東側の沢から土石流が来たと推定される
地質図: 松浦ほか (2007) 20万分の1地質図幅「山口及び見島」の一部
基図となっている地形図は国土地理院発行20万分の1地勢図「山口」
(地質情報研究部門 松浦浩久・斎藤 眞)
更新履歴
2018.07.10:20万分の1地質図幅「山口及び見島」リンク先URL修正
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