展示と解説のコーナー
このページのポスター画像は、2007年 9月7日,8日,9日に北海道大学 クラーク会館で開催した
「地質情報展2007北海道 -探検!熱くゆたかなぼくらの大地-」で展示したポスターをまとめたものです。
(展示ポスターの一部は「地質調査総合センター研究資料集, no. 475」として登録されています。)
※地質学会のコーナー、ほか一部は公開していません、ご了承ください。
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北海道の地質のなりたち-ペルム紀から現在 |
古生代から中生代にかけて、ユーラシア大陸やオホーツク古陸の縁で北海道の古い地質体が形成されました。新生代に入り、島弧の活動が盛んになり、さらに日本海ができ、現在の北海道の地質の基本ができました。このような変遷を図と関連する地質見学地の写真で紹介しました。 |
シームレス地質図・統合地質図データベース |
北海道地域の20万分の1地質図を1枚につなぎ合わせたシームレス地質図の詳細版が完成しました。活断層や主な火山の位置、見どころ、周辺海域の地質図や海底地形図も加えました。各種の地質図をWeb上で閲覧できる統合地質図データベース(GeoMapDB)もぜひご覧ください。 |
床張り展示 タテ:480cm ヨコ:500cm |
火山噴火とその恵み |
火山活動は大きな災害をもたらしますが、美しい風景、温泉や地熱資源、私達の住む大地そのものをつくりだします。火山や噴火のメカニズムを知り、噴火予知に役立てるための研究の最前線や、火山の恵みについて紹介します。 |
生きている火山-北海道の活火山- |
北海道には最近活発に活動している火山が数多くあります。それら活火山のうち、駒ヶ岳、有珠、樽前、十勝、雌阿寒火山の活動について詳しく紹介します。 |
海の地質調査-北海道周辺の海- |
地質調査総合センターでは1970年代から北海道の海の調査をしてきました。ここでは調査の範囲や調査内容、調査手法についても簡単に紹介します。海底は直接行って調べるのが困難なので、独特の調査法が発展してきました。 |
地熱資源と北海道の温泉 |
火山国日本には大地のエネルギー「地熱」が豊富に存在しています。また火山の近くでなくても、地下と地上との温度差を利用することができます。ここでは地熱とそのいろいろな利用のしかた、温泉・地熱発電・地中熱などについて紹介します。 |
北海道の鉱物資源・北海道の骨材資源 |
・明治時代以降、金・銀・鉛・亜鉛・水銀・アスベスト・かんらん岩などを多産し、我が国の近代化・戦後の経済発展に大きく貢献してきた北海道の鉱物資源の概要を紹介します。 ・住宅・道路・港湾・鉄道などの社会基盤の整備には多量の「砂利」や「砕石」が使用されています。知られざる重要資源「骨材資源」について北海道の需給状況や産状を中心に紹介します。 |
北海道の砂 |
宗谷の黒い砂・厚岸の褐色砂・噴火湾の白い砂など、北海道各地の海浜にはいろいろな砂が見られます。砂の美しさや特徴、そして砂に秘められた秘密や自然の歴史をのぞいてみましょう。 |
光竜鉱山の金銀鉱石・北海道の鉱石・鉱物 |
・金銀鉱石は、地下の鉱脈から採取されます。札幌市周辺の光竜鉱山で採取した鉱石が、肉眼や顕微鏡でどのように見えるかを紹介します。併せて金銀鉱床の出来方を紹介します。 ・道内では、様々な鉱石・鉱物が見つかっています。道内有数の豊羽鉛・亜鉛鉱山など、各地の鉱山から採取された美しい鉱石・鉱物が、どのように見えるかを紹介します。 |
アスベストとは? |
石綿は耐火性、断熱性、耐摩耗性に優れるため、工業原料、建材、パッキンなどに広く使用されてきましたが、石綿繊維の吸引に起因する呼吸器障害(悪性中皮腫など)の危険性が認識され、世界各国で使用禁止の動きが拡がっています。 |
北海道の石油・天然ガス資源 |
北海道の原油生産量は全国第2位、天然ガス生産量は同第3位です。そのほとんどが勇払油ガス田から産出し、天然ガスは札幌までパイプラインで送られて都市ガスとして利用されています。道内の石油・天然ガスの産地や鉱床のでき方について解説します。 |
北海道の石炭 |
明治12年、三笠市幌内に最初の近代的炭鉱が開発され、その後多くの炭鉱や炭鉱の街が生まれました。明治以降北海道の発展に石炭が大きな役割を果たしてきたのは言うまでもありません。かつては道民10人に一人は夕張など炭鉱街に暮らしていました。今でも北海道の地下には多くの石炭がねむっています。 |
「燃える氷」メタンハイドレート |
未来のエネルギー資源として注目されている「燃える氷」メタンハイドレート。西南日本太平洋側の南海トラフ海域の他、北海道周辺海域でも存在が知られています。メタンハイドレートとは何なのか?どうやって見つけるのか?なぜ注目されるのか?これらについて紹介します。 |
メタンハイドレートラボ |
産総研メタンハイドレート研究ラボでは、経済産業省の「メタンハイドレート資源開発計画」の中で「生産手法開発」の研究を担当しています。その成果を説明パネルと写真でご紹介します。また「合成メタンハイドレート」の燃焼デモを行います。実際に「燃えている氷」をその目でご覧下さい。 |
元素の地図-北海道の地球化学図 |
地球化学図とは元素の分布を表す地図のことです。例えば、ヒ素や水銀などの有害な元素がどこにどれだけあるかを表していて、環境汚染の浄化を考えるときのヒントになります。 |
新冠町の泥火山 |
新冠町にはいくつもの泥火山があります。ふつうの火山とは違う泥の火山。これほど大きな泥火山が陸で見られるのは稀で、日本では新冠だけ。北海道の天然記念物にも指定されています。その一列に連なった様子や噴出物は何を意味しているのでしょうか。 |
根釧地域に襲来した歴史津波の痕跡・北海道太平洋岸の津波浸水履歴・北海道の津波アニメーション |
・北海道東部の太平洋沿岸は千島海溝の沈込みに伴う地震による津波の被害を受けて来ました。沿岸の堆積物を調査した結果、20世紀の地震よりも内陸側に侵入する巨大な津波が根釧地域に襲来してきたことがわかりました。 ・北海道東部沿岸は、千島海溝で発生する津波や1960年チリ津波のような遠地津波により、たびたび被害に見舞われてきました。17世紀にはスマトラ級の巨大津波が襲っていたことも堆積物の調査から明らかになっています。これらの被害の把握と防災に役立てるため、過去の津波の浸水域を示した地図を作成しました。 ・沖合で地震が発生すると津波が発生し、沿岸に被害をもたらします。北海道周辺で発生した地震による津波について、地震が発生してから海岸に達するまでの様子をコンピューターでシミュレーションした結果をアニメーションで紹介します。 |
千島海溝プレート間地震の連動による巨大津波・17世紀に北海道で発生した巨大地震後の地殻変動・ 2003年十勝沖地震による長周期地震動 |
・北海道東部の太平洋岸では、通常の規模を上回る巨大な津波が500年程度の間隔で繰り返し発生しており、最近の発生は17世紀でした。巨大津波は、十勝沖・根室沖におけるプレート間地震が連動しておこることで説明されます。 ・千島海溝沿いで17世紀に発生した連動型の巨大地震では、地震の後に、北海道東部の太平洋沿岸が数十年かけて1~2m 隆起したことが、堆積物の分析から明らかになりました。この海岸の隆起は、プレート間地震の地震発生帯より深部の断層が非地震性のすべりを起こした結果と考えられます。 ・2003年十勝沖地震では、苫小牧市などにおいて、周期の長いゆっくりとした揺れ(長周期地震動)が観測されました。石油タンクや高層ビルなど大きな構造物に影響をおよぼす長周期地震動は。震源から遠く離れた場所であっても、地下に厚い堆積層が存在すると強められることがあります。 |
活断層の調査 |
・全国の活断層を大地震を発生させる基本単位となる「活動セグメント」ごとに区分して、セグメントごとの活動確率を示しています。地図の作製に使用したすべてのデータは、産総研の活断層データベースとして公開されています。 ・黒松内低地断層帯は、北海道の南西部において日本海と内浦湾をつなぐように分布する長さ約30kmの断層帯です。産総研が実施した調査で明らかになってきたこの断層帯の活動履歴と地下構造について紹介致します。 ・石狩低地の東縁には大規模な逆断層が伏在しています。長沼町の夕張川沿いの地域では、断層によって変形した地層が西暦1739年に噴出した樽前a火山灰層を挟んでおり、これは非常に新しい時期に大地震が発生したことを示しています。 ・沼田-砂川付近の断層帯は、長さ約38kmの活断層とされていました。しかし、詳しい調査を実施した結果、断層帯北部の沼田町付近の長さ10km程度の区間を除くと、その大部分が活断層ではない可能性が大きいことがわかりました。 ・サロベツ断層に沿った地域では、最終間氷期の海成段丘面が傾くとともに、海岸沿いには数段の完新世の段丘面が発達しています。これらの地形は、いずれも昔の海岸地形が隆起して形成されてきたもので、地下に伏在する逆断層による大地震が繰り返し発生してきたことがわかります。 ・活断層データベースを使って、全国の活断層についての3種類の大量のデータを検索してみましょう。それらは、1)9000件を超える文献書誌データ、2)13000に迫る調査地点の調査結果データ、3)全国を統一的に網羅する活動セグメントのパラメータです。 |