GSJニュースレター トップへ
GSJニュースレター 2006年 トップへ
GSJニュースレター NO.21 2006/6
Contents
- 日本地球惑星科学連合2006年大会 参加・出展報告
〜GSJブース出展、研究発表、そして広報・アウトリーチ活動〜 - タイ鉱物資源局長来日
- 第5回地質図の利用普及に関する懇談会の開催
- 公開シンポジウム「エネルギー・環境と人類の未来-日本の脱石油戦略を考える-」
- 平成18年水無月会の模様
- "日本沈没世代" が熱く語る
- 新人紹介
- スケジュール
- 編集後記
日本地球惑星科学連合2006年大会 参加・出展報告
〜GSJブース出展、研究発表、そして広報・アウトリーチ活動〜
東宮 昭彦 (地質情報研究部門)
2006年5月14日〜18日に、千葉市の幕張メッセ国際会議場において、「日本地球惑星科学連合2006年大会」が開催されました。本大会は去年まで"合同大会"と呼ばれていましたが、今年から"連合大会"と呼ばれています。これは、去年までは地球惑星科学関連の学会が合同で行う大会という位置づけであったのが、2005年5月25日に「日本地球惑星科学連合」が正式に発足し、その年次大会と位置づけられたためです。ただ、今でも"合同大会"と呼んでしまう人が多いようで、連合の存在や呼称の定着にはもう少し時間がかかりそうです。
筆者はこの連合大会において、地質調査総合センター (GSJ) のブース出展スタッフ、自身の研究発表、そして連合の広報・アウトリーチ委員会スタッフ、という様々な関わり方をしましたので、その報告をいたします。
[GSJブース出展]
GSJは今年もブース出展し、GSJの紹介、地球科学関連データベースの紹介、新刊を中心とした地質図類や絵葉書の紹介・販売などを行いました。また、会期直前(5月12〜13日)に岐阜県の揖斐(いび)川沿いで起こった大規模な地滑りに関する速報も掲示され、GSJの素早い対応をアピールしました。
GSJブース出展には、地質調査情報センター(筆者の当時の所属)及び地質標本館から5日間で延べ15人がスタッフとして対応しました。あいにくブースの場所が人の流れからやや外れた所だったため、来場者数という点ではやや寂しい面もありましたが、販売に関してはほぼ例年並みの売上げがありました。売れ筋はやはり数値地質図 (CD-ROM) でしたが、今年は5万分の1地質図幅が例年より多く売れていました。
[研究発表]
連合大会までには筆者は本来の研究部門(現所属)に戻っているはずだったので発表を申し込んだのですが、任期が1ヶ月延びたため、思いがけず地質調査情報センター在籍のまま大会に参加することになりました。このため、準備の時間が取れない上、公私ともども周りの方には様々なご迷惑をお掛けしたことと思います。それでも私の研究発表には思いのほか反響があり、講演後に様々な方と突っ込んだ議論が出来たことは幸いでした。
連合の発表によれば、2006年大会の参加登録者数は4,008名、発表論文数は2,725件、参加学会数は44学会に及んだとのことです。筆者の専門分野である火山関係のセッションに関しては、最近国内で大きな噴火が起きていないこともあって、比較的平穏に着実に研究が進んでいる印象を受けました。
[広報・アウトリーチ委員会企画]
日本地球惑星科学連合には、広報およびアウトリーチ活動を行う標記の委員会があり、筆者もその一員です。当委員会は、本大会において「高校生によるポスター発表」と「地球・惑星科学トップセミナー」を開催しました。
前者は、全国19の高校から22件の発表申し込みがあり、高校生らしい新鮮な視点によるポスター発表が並びました。狭い会場に高校生とポスター見学者が詰めかけて、文字通り熱気のこもった討論が交わされました。筆者はポスターの審査員を務めながら時間いっぱいまで見て回りましたが、想像以上におもしろい経験でした。審査の結果、「岐阜の微気象」を発表した岐阜県立岐山(ぎざん)高等学校が最優秀賞を受賞しました。
後者は、高校生をメインターゲットに、地球惑星科学分野における最新の成果を紹介するという企画です。実際の聴講者の中にはあいにく高校生が少なかったようですが、往年の高校生たちが熱心に話に聞き入っていました。今年のトップセミナーには、各分野から日本を代表する5人の研究者が講演者として招かれましたが、GSJからは寒川 旭さんが「日本の人々を襲った巨大地震」と題して、地震考古学について漫画を交えて分かりやすく講演されました。
写真 : GSJブース出展の様子。
タイ鉱物資源局長来日
大久保 泰邦 (地質調査情報センター)・町田 功 (地圏資源環境研究部門)
地質調査総合センターはタイ鉱物資源局と研究協力協定を結び、それに基づいて研究協力を推進しております。今回、この研究協力協定の打ち合わせと日本の地球科学分野の動向調査を目的として、Somsak Potisatタイ鉱物資源局長、Kanjana局長夫人、Samai Chiemchindaratana副局長、Sommai Techawan国際室長の計4名の方々が2006年5月29日〜6月1日に来日されました。
5月29日朝、成田に到着され産総研に移動し、その日の午後には研究協力協定の打合せを行いました。日本側の主な出席者は、佃GSJ代表、嶋崎参与、栗本地質調査情報センター長、杉山活断層研究センター長、佐竹同副センター長、脇田地質情報研究部門グループ長、齋藤文紀同部門グループ長でした。議論された内容は、(1)タイにおける活断層研究、(2)古津波研究、地震・津波のモデルシミュレーションおよび津波警報・復旧、(3)地球科学データのGIS解析、(4)海岸地域における陸海の相互作用、(5)タイにおける地質とテクトニクス、の5つでした。最後にタイ鉱物資源局長と佃GSJ代表の間で議事録承認の調印が交わされました(写真1)。
5月30日から5月31日の2日間、箱根への巡検を行いました。30日朝、つくばを貸切バスで出発し、昼ごろ神奈川県立温泉地学研究所の板寺一洋主任研究員の案内で、大井松田インター付近の地震観測用の井戸の視察を行い、その後、小田原市にある温泉地学研究所を訪れ、本多久男所長、志村哲雄管理課長、板寺主任研究員より、研究所の概要や地震観測システムなどの説明を受けました(写真2)。局長は、地震について積極的に質問をされていましたが、その背景には、最近、スマトラ沖地震に伴う津波災害を契機としてタイ国内で地震に対する警戒心が高まっていることがあります。その後、箱根カルデラ内の大涌谷に向かい、噴気活動を観察しました。
翌日31日は箱根外輪山の尾根部に向かい、箱根火山のカルデラ構造を巡検しました。午後には丹那盆地、田代盆地を訪れ、1930年の地震で現れた左横ずれ断層を巡検しました。丹那盆地内にはトレンチがあり、見事に切られた断層跡を見ることができました。
その後、東京にバス移動し、タイ鉱物資源局の方々は在日タイ大使館の方々と懇親を交わされ、翌日成田より帰国されました。
写真1 : 議事録承認の調印式。左がSomsak Potisat タイ鉱物資源局長、右が佃研究コーディネータ。手前の恐竜の模型はタイ鉱物資源局からの贈り物で、名前はSimosaur。 |
写真2 : 神奈川県立温泉地学研究所の地震観測システム前での議論の様子。(左から、温泉地学研究所板寺主任研究員、Somsak Potisat タイ鉱物資源局長、Somai Techawan 国際室長、Kanjana 局長夫人、Samai Chiemchindaratana 副局長、著者ら (大久保、町田)) |
第5回地質図の利用普及に関する懇談会の開催
佐藤 努 (地質調査情報センター)
2006年6月14日に、産総研秋葉原サイト会議室にて「第5回地質図の利用普及に関する懇談会」が開かれました。この懇談会は、2004年4月より社団法人全国地質調査業協会連合会(全地連)と共催しているもので、地質図のあり方や地質図の認知・普及のための方策について自由に議論する場となっています。会の詳細につきましては、次のWebページをご参照下さい(http://www.gsj.jp/Sgk/chishitsu_top.html)。
今回は、全地連から18名、産総研から14名の参加者があり、次の3つのテーマについて議論が行われました。
1)『実務に役立つ地質図の知識』(オーム社)について
2)「地質図の経済的効果」について
3) 「地質図の経済的効果」についてのシンポジウム開催企画
まず1)では、全地連側から内容の難易度や普及ターゲット・方法などについて、意見や提案が出されました。具体的には、「少し内容が難しく、一般向けに内容を簡単にしたものが別にほしい」、「地質図を実務に使っている方に向けての講習会を開催しては?」といった内容が中心でした。これを受けて議論を行った結果、全地連と産総研が協力して一般向けの小冊子を作成し、講習会については全地連が企画する会に産総研が協力し普及を図るという方針が提案されました。
次に2)では、3名の方から話題提供がありました。まず産総研地質情報研究部門の斎藤 眞研究員より産総研におけるアウトカム事例調査について、続いて筆者より「地質図の社会的価値(地質調査総合センター研究速報No.37)」について、最後に全地連技術委員会の佐橋委員より地質に係わる事業リスクについて話題が提供されました。これらの話題を基にして、地質図の経済的価値についての議論が行われました。具体的には、日本では地質図の価値についてほとんど議論がされてこなかった背景、地質図の価値を算定し一般に広く認知してもらうための方法、そしてその方法の一つとして地質図を作成することで無駄な事業投資がどれだけ防げるかを示すことが効果的であること、などが挙げられました。特に、最近のダム・道路工事では、工事開始後に判明した地質条件の良し悪しを理由とした事業費の拡大が議会や市民の同意を得られなくなってきた現状が紹介され、このような地質に係わる事業リスク低減のために、事業の計画そのものに地質技術者が関与する必要性や、新たなマネジメントシステムの活用などについて活発な議論がなされました。このマネジメントシステムは、詳細な地質図を作成することによって事業リスクを低減することが主な目的となっています。
最後に3)について、2006年11〜12月ごろにシンポジウムを開催する方向で全地連事務局と産総研とで実質的な準備作業を行うことが承認され、懇談会は終了しました。
写真 : 懇談会の様子。
公開シンポジウム「エネルギー・環境と人類の未来-日本の脱石油戦略を考える-」
森本 慎一郎 (技術情報部門)
2006年5月26日に日本学術会議材料工学委員会、(社)日本工学アカデミー、(社)先端技術産業調査会及び(社)日本工学会主催のもと「エネルギー・環境と人類の未来-日本の脱石油戦略を考える-」と題する公開シンポジウムが行われた。
シンポジウムでは西澤潤一氏(日本工学アカデミー名誉会長、先端技術産業調査会会長)、岸 輝雄氏(日本学術会議会員、東京大学名誉教授)による主催者挨拶、及び塩沢文朗氏(内閣府大臣官房審議官)による来賓者挨拶の後、日本の脱石油戦略に関する3件の講演が行われました。
最初に「『脱石油戦略』を考える」と題して石井吉徳氏(東京大学名誉教授、科学技術フォーラム代表による基調講演が行われた。講演では石油・天然ガスの生産量と消費量の推移に関するデータ等から脱石油戦略の重要性について説明があり、日本及び海外における脱石油戦略の最新動向について紹介が行われた。
その後、「日本列島をめぐるエネルギー、大陸棚問題」と題して芦田 譲氏(京都大学教授、環境・エネルギー研究会代表)による講演が行われた。講演では、世界のエネルギー事情に関する包括的な説明と世界の石油・天然ガス可採埋蔵量の現状について説明があった。その後、石油等各種地下資源の物理探査技術の概要と現状についての紹介、世界の物理探査船の動向と日本の新たな石油開発の必要性、メタンハイドレードの石油代替燃料としての可能性について説明が行われた。
その後、「エネルギー供給保障と地球環境問題」と題して秋元勇巳氏(日本経済団体連合 資源・エネルギー対策委員長)による講演が行われた。講演ではエネルギー安全保障を中心とした日本のエネルギー戦略の概要について説明があり、資源・エネルギー外交の方向性、新エネルギーの推進などエネルギー供給面からの対応法、省エネルギーなどのエネルギー需要面からの対応法など、今後のエネルギー戦略のあり方について提言が行われた。
最後に「文明史的転換期対応への国家戦略」と題して内田盛也史(日本工学会顧問、科学技術フォーラム代表)による総括・閉会挨拶が行われ、石油に関する国際情勢とそれに対応した国家戦略のあり方について説明があった後、文明史的転換期への対応策として「資源・エネルギー国家戦略司令塔の設置」に関する提言が行われた。
当日は各産業界から多くの参加者が集まり、活発な議論が行われた、本年4月に小泉首相によって脱石油戦略の策定が指示されて以来、日本では脱石油戦略に対する関心が急速に高まりつつある。産総研地質調査情報センターでは昨年から石井吉徳氏を中心にオイルピークに関する委員会を設置し、日本の脱石油戦略の必要性と脱石油戦略に向けた技術革新のあり方について、活発な議論が行われている。今後は地質調査情報センターのみでなく、環境エネルギー分野や技術情報部門も併せて産総研全体として取り組み、我が国に対して脱石油戦略に関する重要な情報発信を行っていくことが期待できる。
写真 : 講演を行う秋元氏。
平成18年水無月会の模様
矢野 雄策 (地圏資源環境研究部門)
2006年6月2日金曜日、第31回となる水無月会が東京港区元赤坂の明治記念館で開催されました。水無月会はもともと旧地質調査所OBの親睦会でしたが、地質調査総合センターの発足以来、総合センターが事務局となって開催してきたものです。その名が示すように水無月(6月)の第1金曜日を定例として開催されてきた会で、30年以上続いていることになります。
今回は井上英二水無月会会長(地質調査所17代所長)の挨拶、佃 栄吉地質調査総合センター代表の近況報告の後、垣見俊弘前会長(地質調査所16代所長)の乾杯の御発声により宴に移りました。親睦会ではありますが、現職員にとっては地質分野出身で様々な立場となっておられるOBの方々に多く接し、お話をする絶好の機会でもあり、今年も15名以上の現職が参加しました。2時間の懇談の最後に、産総研の小玉喜三郎副理事長(地質調査所22代所長)と加藤碵一理事が産総研の近況報告をされ、杉山雄一活断層研究センター長の閉会の挨拶でお開きとなりました。
冒頭の井上会長のお話の中で、本会について今後はOBと現役のボランティアベースの運営方式に改めてこれからも継続してゆくことが確認されました。写真は参加者に配られたメッセージ集と名簿で、地質調査総合センターを見守っておられる諸先輩方の声が含まれたものとなっています。水無月会の参加者は近年減少傾向にありますが、今年も100名近い方の参加を得られました。個人的には3回目の参加でしたが、当日午後は休暇をとり、明治記念館そばの神宮外苑を散策する機会も得、思い出深い会となりました。今回事務局をお手伝いいただいた方々に感謝します。
"日本沈没世代" が熱く語る
宝田 晋治 (地質調査情報センター)
小松左京原作の「日本沈没」が再映画化され、2006年7月15日より上映されることは多くの方がご存知かと思います。それに伴って、TBSでは「"日本沈没世代"の研究者たち(仮題)」の報道番組を企画しています。6月20日に、地質情報研究部門地震地下水研究グループの小泉尚嗣グループ長が、"日本沈没世代"を代表して取材を受けました。小泉さんの世代は、日本沈没の映画や小説に強い影響を受け、その後地震研究の道を進んだ方が少なくありません。小泉さんは学生時代も含めると地震地下水研究一筋30年のベテランですので、その代表の一人として白羽の矢が立ったというわけです。
取材は、産総研内の観測井において行われました。観測井において、どのようにして地下水位の観測を行っているのか、装置のしくみ、地下水位変動と地震との関連性についてわかりやすく紹介しました。また、最近の歪計に比べると精度は劣るものの地下水観測井は多数あり広域に影響を調べることができる、さらに大昔から井戸が存在することから、1000年前の地下水変動の影響も文献などから知ることができる、インフラの整っていない地域でも使えるなど地下水観測のメリットを熱く語っていました。過去の大きな地震においては、井戸の水位が変化するなどの現象がいくつか観測されていますので、今後発生が予測されている南海・東南海地震などでも同様の現象が観測される可能性が期待されます。最後に、どんな研究も"地味なこつこつとした積み重ね"が重要であるとコメントしていたのが印象的でした。「"日本沈没世代"の研究者たち(仮題)」は7月中旬の「報道の魂」で放映予定です。またNEWS 23でも放映予定です。7月中旬のTBSの番組にご注目ください。
写真 : 産総研の観測井においてTBSからの取材を受ける小泉グループ長。
新人紹介
大坪 誠 (おおつぼ まこと、深部地質環境研究センター)
2006年4月1日付で深部地質環境研究センター・長期変動チームに研究テーマ型任期付研究員として採用されました大坪 誠です。3月まで京都大学大学院博士課程に在籍し、地層から地質学的時間スケールにおける地殻応力場の履歴を復元する研究を、構造地質学的手法を用いて理論面・フィールド調査および数値シミュレーションをあわせて行ってきました。今後は今までの経験を生かし、当センターのプロジェクトである放射性廃棄物の地層処分のための地層の安定性評価における、長期的な地殻応力場変化の把握に関する研究を行っていきたいと思っています。研究対象として、地表露頭データだけでなく地下データなどもあわせた、三次元的な地殻応力場の変化を明らかにする研究を行い安全性評価に寄与したいと思っています。またGSJの皆様と協力しながら、私の専門である構造地質学の枠を超えた幅広い研究を行っていきたいと考えています。これからよろしくお願いします。
写真 : 2004年9月、ロンドンでの Paleostress analysis 国際シンポジウムの際に立ち寄ったグリニッジ天文台にて。グリニッジ子午線 (経度0度) をまたぐ。
スケジュール (2006/4〜)
期間 | イベント名 | 開催地 |
---|---|---|
4月18日〜7月17日 | 地質標本館特別展「日本列島の20億年-白尾元理写真展-」 | つくば市 |
6月26日 | 第1回CCOP国内支援委員会 | 東京 |
7月10〜14日 | アジア・オセアニア地球科学会(AOGS)第3回年会(GSJブース出展) | シンガポール |
7月22日 | 産総研つくばセンター一般公開 | つくば市 |
7月22日〜9月24日 | 地質標本館特別展「美しい砂の世界-不思議な砂・楽しい砂・役に立つ砂-」 | つくば市 |
7月24〜28日 | 第19回国際鉱物学連合総会(IMA2006)(GSJブース出展) | 神戸市 |
7月26〜28日 | サマー・サイエンスキャンプ2006 「北海道の大地の上で地球上の営みを体感しよう」 |
北海道 |
8月4〜6日 | 日本第四紀学会2006創立50周年大会 | 東京 |
8月19日 | 岩石・鉱物・化石を用いた体験学習(地質標本館) | つくば市 |
8月25日 | 化石のクリーニング(地質標本館) | つくば市 |
8月26日 | 夏休み地球何でも相談(地質標本館) | つくば市 |
8月27日〜9月1日 | 第17回国際堆積学会(17th Intrenational Sedimentological Congress 2006) (GSJブース出展) |
福岡市 |
9月15〜18日 | 地質情報展2006こうち「黒潮よせるふるさとの地質」 | 高知市 |
9月16〜18日 | 日本地質学会第113年学術大会 | 高知市 |
9月21〜22日 | 全地連「技術e-フォーラム2006」(GSJブース出展) | 名古屋市 |
編集後記
佐藤 努 (地質調査情報センター)
今年は5月〜6月にかけて、地震・火山活動が活発になっている。インドネシアでは、5月27日に発生したジャワ島地震で5000人以上の人が亡くなり、付近のメラピ火山では火砕流で犠牲者が生じた。日本でも桜島火山の活発化、伊豆大島近海の地震活動が起きている。
地質調査総合センターでは、地質を軸にしていろいろな角度からこのような地震・火山現象の解明に取り組んでいる。場所が海外であれば衛星情報を駆使し、国内であれば地質図が過去の噴火の様子や活断層の位置を教えてくれる。地質図は、それらの現象が大地に残した傷跡を示しているのである。
本号では、5月に行われた連合大会や公開シンポジウム、タイ鉱物資源局との研究協力協定締結、そして6月に行われた水無月会や地質図の利用普及に関する懇談会の様子を報告する。一つ一つの活動は地道であるが、国内及び国際的な地質情報の蓄積に少しでも貢献し、冒頭に述べたような地震・火山災害の軽減に繋がれば幸いである。